ハロー!プロジェクト(ハロプロ)のアイドルグループ「℃―ute」が6月に解散後、女優業に本格進出した矢島舞美(25)が本紙に“進化”を語った。主演舞台「一枚のチケット~ビートルズがやって来る~」(27日~12月3日、東京・紀伊国屋サザンシアター)で挑むのは、1966年に歴史的な「ビートルズ日本武道館公演」を実現させ、日本音楽史に名を刻む“伝説の日本人プロモーター”永島達司役。卒業後初主演、初の男役という挑戦だが「すごくやりがいを感じています!」と今の思いを明かした。

 ――聖地・日本武道館は思い出の地

 矢島:私たちもグループ時代、日本武道館公演は夢の一つでした。ビートルズが公演を行ったことでアーティストの憧れの舞台となったと思うと歴史の重みを感じます。

 ――実現に尽力した伝説的プロモーター・永島さんを演じる

 矢島:当時の日本はコンサートに行くこともダメという風潮があって、様々な反発があった中で永島さんが時代を切り開いたんだと思うと、本当にそんな人がいるんだな~お会いしたかったなと思いました。すごく行動力のある熱い方だったんだなと。すごく大きな役をいただきましたね。

 ――初の男役

 矢島:アイドル時代に経験したことを生かしていこうとアドバイスをいただきました。自分の経験に置き換えられる部分は自然とセリフに熱がこもる感覚があります。

 ――印象的なシーンは

 矢島:女子高生たちは「コンサートに行ったら退学」とまで言われていた。そこで永島さんの「チケットを取り上げないでください! これからの未来を作っていくのはこの子たちなんです!」というセリフ。女子高生役を後輩が演じ「これからのハロプロは後輩が作っていく。受け継ぐものがあるんだ」とリンクしてすごく熱くなりました。

 ――アイドルから女優となり、変わったことは

 矢島:長い間アイドルをやってきて、レッスンではダンスの先生に怒られたりしながら「はい!」とやってきた。でも今回お芝居をやっていく上で、みんな自発的に自分の意見を出している。アイドル時代はまず与えられた課題をしっかりやることが大事だった。でも、今回は「自分はこうだ!」と役作りを提示していく。今まではある意味で人任せな部分があったんだな~と感じました。役作りは正解がなくて、迷宮入りすることもあるんですけど、迷いながらも楽しんでいます。

 ――目指す女優像は

 矢島:自分で役を提示する一方で、ほかの意見を素直に受け止めるところも大事だし、演じる人物の“思い”に沿っていけるように柔軟な女優になれたら。アクションにも挑戦したいですね。

 ――またアイドルをやりたい気持ちは

 矢島:後輩の曲を聴くとやっぱり安心するんですよ。新曲を聴いても「ハロプロだろうな」と落ち着く。私はこの前、ソロでステージをしたんですが、グループの曲でソロで歌えるのは限られる。今後は踊ることも少なくなるのかなと思うと、少し寂しかったですね。

 ――元メンバーには

 矢島 見に来てくれるかな? 客席にいたら照れちゃうかな(笑い)。みんなの活躍がすごく刺激になるし、一人のファンとして応援してます。何かニュースで見たら「そんなことがあったんだー!」と感心してます。

 ――今後は

 矢島:日々葛藤しながらやってます。一回として同じお芝居はないと思うし、私もどんどん成長していくと思います。このお芝居を通じて「自分たちも頑張れる。未来を切り開けるんだ」という力や助けになれたらいい。そういうメッセージを届けられたらいいなと思っています。

☆やじま・まいみ=1992年2月7日生まれ。埼玉県出身。今年6月12日に解散したアイドルグループ「℃―ute」リーダーとして活躍後、女優転身。NHK・Eテレ「Rの法則スペシャルドラマ『大江戸ロボコン』」(27日から4日連続放送)出演。開催中の「ビートルズ展」(来年1月28日まで、有楽町インフォス)のオフィシャルサポーター。女子レスリング・吉田沙保里などとの対談を含むリーダー論満載の書籍「のんびり、さりげなく、ふんわりと。」が12月22日発売。