巨人の新エース・菅野智之(24)が29日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発。2点リードの9回二死から畠山の逆転3ランを浴びたものの、村田のサヨナラ打でリーグ単独トップの5勝目を手にした。ドラフト制導入後では球団初となる「4月中のセ・リーグ5球団からの勝利」も達成。これで自身初の月間MVPはほぼ確実となったが、これで満足するような男ではない。

 試合後のお立ち台では開口一番「すいませんでした!」と、9回にハラハラさせたことをわびたが、その直後には「次は絶対、完封します!」。負けん気の強い菅野らしい“完封宣言”まで飛び出した。そんな新エースがひそかに狙っている目標が本業の投球以外にある。「本塁打ですよ。もともと打撃センスのある菅野ですが『今季中に何とか1発打ちたい』と意気込んでいます」(チーム関係者)

 ここまで6試合の打撃成績は17打数4安打2打点で打率2割3分5厘。この日は2回の第1打席にしっかりと犠打を決めて4回一死一、二塁の好機にはセンターへ鋭い打球を飛ばし球場をどよめかせた(結果は中飛)。

 持論は「投手は投げるだけじゃない」で、打撃にもこだわりはある。そのシャープな打撃は強打者揃いの巨人でも「智之はセンスの塊。(本塁打を)いつ打ってもおかしくない」(長野)と認められている。

 昨季は中日・山内、阪神・能見、日本ハム・大谷(この人は例外?)、広島・野村の4投手が本塁打を放ち、今季も阪神・藤浪、日本ハム・大谷が打っている。プロ初の開幕投手を務め、ここまで5戦5勝の菅野なら不可能な目標ではなさそうだ。