柔道世界選手権(8~9月、ハンガリー)女子57キロ級代表の芳田司(21=コマツ)が6日、スペイン・カステルデフェルスでの国際合宿から羽田空港に帰国した。

 芳田はロンドン五輪金メダルの松本薫(29=ベネシード)の産休中に飛び出した新星候補。「小さいケガが多くて100%勝負はあまりできなかった」と完全燃焼ではなかったが、最終日にはリオ五輪金メダルのラファエラ・シルバ(25=ブラジル)と乱取りを行い、現在の状態を確認した。

 シルバには昨年、関節技で勝利している。そのためか「(乱取りを)『やろう』と言った時、目をつぶられて…。やりたくないんだなと」(芳田)と最初は敬遠されたという。嫌がるのは相手がライバル視する証拠。乱取りは「引き分けか、ちょっと負けぐらい」とやや押されたものの、芳田は心理的にも自信をつかんだ様子だった。

 スペイン合宿は今年で3回目。サグラダ・ファミリアなどの名所は訪問済みとあって食事でリフレッシュした。「ムール貝がすごくおいしかった」と笑顔。野獣松本が不在の間に、世界の頂点へ上り詰めるつもりだ。