米スポーツサイト「ジ・アスレチック」は20日(日本時間21日)、12月1日(同2日)に失効する労使協定と、それに伴う2027年シーズンのロックアウトの懸念が、現在の移籍市場に与えている影響について分析した。

 今オフの特徴は10年を超える超大型契約は結ばれておらず、高年俸の短期契約、1年ごとのオプトアウト(契約破棄)条項付帯がトレンドだ。メッツと3年総額1億2600万ドル(約199億円)で合意したボー・ビシェット内野手(27)がその代表だ。

「大規模なロックアウトの脅威をフリーエージェントが恐れていないことを最もよく示す例だろう」と指摘する。アストロズと3年5400万ドル(約85億3000万円)で契約した今井達也投手(27)や、パドレスと3年7000万ドル(約110億6000万円)で再契約したマイケル・キング投手(30)らも同じだ。

 一方、市場の冷え込みが懸念される中、同サイトはある球団幹部の冷静な分析を紹介している。「チームはロックアウトを検討しているようだが、丸1年間なくなると考えているところはほぼない。市場は過去数年と大きく変わっていないと思うが、それがおそらく最も良い指標だろう」

 実際、12月2日以降のロックアウト突入はほぼ確実視されており、ドジャースなどの巨額補強を受け、サラリーキャップ制導入案などが最大の争点となる見通しだ。選手会の反発は必至、ストライキに発展する可能性もある。

 しかし、近年のピッチクロック導入の成功や、歴史的な激戦となった昨年のワールドシリーズを経て、MLBは現在「かつてない好循環の波」に乗っている。こうした背景から、1994年のような最悪の事態を予想する声は少ないようだ。

 94年は6月にオーナー側がサラリーキャップ制を提案したが、選手会側が拒否。8月12日にストライキに突入、レギュラーシーズンの残り試合全て、プレーオフ、ワールドシリーズが中止され、95年の開幕が予定から1か月近く遅れた。その結果、多くのファンを失った。悲劇を繰り返すことは絶対に避けたい。