15日に完結したTBS系日曜劇場「キャスター」最終回は、スクープキャスター・進藤(阿部寛)の見立て違いが次々と判明し、巨大なタブーを報じられない敗北も喫する展開となった。
43年前の自衛隊機墜落報道を巡り、何らかの力が働いて死に追い込まれたとみられる進藤の父で新聞記者だった哲(山口馬木也)。進藤はその仇をうつべく、自身の番組を放送するJBNの国定会長(高橋英樹)に迫るも、哲を葬ったのは景山重工会長の景山(石橋蓮司)だった。哲の「墜落事故隠ぺい」記事が日の目を見なかった経緯も見立てとは真逆の構図。第2話で死去した羽生官房長官(北大路欣也)の毒殺も判明したが、嗅覚鋭い進藤がそれを疑った気配はないというヌルさも露呈した。
さらには、墜落事故の背後にあった日米核密約と報道におけるタブー視を国定に〝自白〟させたのに、進藤は報じない。これまで進藤のスーパーマンのような活躍にはドラマ批評などで〝都合よすぎ〟との論評もみられたが、ここだけはリアルな結末。見立て違いと巨大なヤミに迫れない〝敗北〟なのに、エンディングの進藤は挫折感を示さない奇怪な終わり方。
そもそも不可解なディテールが次々と露呈する最終回だった。
墜落事故当時の哲は、10日が経過しても発表がないため、政府の事故隠しを疑って現場にいた山井和雄(山本学)を取材したという。ところが前回の9話では、事故3日後の10月8日に山井と哲の取材アポがあったことが山井の手帳から明らかになっている。
事故を伏せたい政府側の意向などから、哲の原稿は〝お蔵〟に。それが10月15日。この点からも、前出の「10日たっても発表がないので山井を取材」は辻褄が合わない。逆に10日もあったのだから、哲はデスクに取材事実を報告しているはずで、事故自体が記事になっていないのは不可解極まりない。
キーパーソンの1人である山井は「所長」と呼ばれた。墜落現場に近い原子力燃料再処理センターの元所長。ところがセンターができたのは事故の後で、それを機に次々と化学工場ができたと語られた。事故は〝原子力村〟が形成される以前のことで、山井がいかなる立場で放射能漏れが心配された墜落の事故処理に関わったのかも不明。
国定は盟友だった羽生の死の真相をあぶりだすため、自らが疑われるような情報を週刊誌に書かせる。それが成功して景山の犯行が浮上。だが5話で国定は元有名記者で当時の同志が今は警察トップの人事を決める立場だと語られている。それほどの人脈があるなら、危険なリークに頼らずとも、警察筋から羽生の事件性を探らせることができたはず。
情報流出の被害にあった本橋(道枝駿佑)のパソコンは、滝本(加藤晴彦)が押収したのに、廃棄に出したのはなぜか市之瀬(宮澤エマ)。などなど、不可解さ満載の最終回だった。












