鬼メンタルも武器となりそうだ。巨人・井上温大投手(23)が11日に行われたソフトバンクとのオープン戦(長崎)に先発し、4回7安打3失点の内容だった。結果こそいまひとつだったとはいえ、阿部監督からの期待も大きい「秘蔵っ子」はすでに開幕ローテーションの4番手として構想入り。技術もさることながら、精神面で著しい成長を見せている。

 課題を残す調整登板となった。井上は初回先頭・ダウンズにいきなり安打を許したものの、後続は冷静に打ち取って無失点スタート。続く2回もスコアボードに0を並べたが、3回に入ると鷹打線に捕まった。一死から広瀬の二塁打でピンチを招き、またもダウンズに適時打を浴びて先制点を献上。二死三塁から正木の適時打で追加点を許し、2失点となった。

 4回にも犠飛で1点を失い、3失点。降板後は「結果がすべてなので。悪いというか、あんなに安打を打たれて、自分の力が足りないなと思いました」と猛省した。阿部監督も「スライダーが操れてなかったから捕手が大変だった。配球にならないから」と辛口だった。

 不満の残る登板となったが、指揮官からの期待は揺るがない。阿部監督は「それくらい期待してもいいんじゃねぇかな」と早い段階から〝裏ローテ〟のカード頭で井上の起用を明言。それも愛弟子が成長を見せ続けているからこそだ。

 二軍監督時代から目をかけてきた愛弟子には、昨季まであえて厳しい言葉をかけ続け、精神的にまだ幼かった左腕を常日ごろから叱咤激励してきた。

 そんな井上も期待にこたえる成長ぶりで、昨季は8勝と飛躍を遂げると、オフには背番号「97」からの変更をまさかの「直談判」。その肝っ玉ぶりにチーム内からは「あんなかわいい顔をしているけど、最近は肝が据わるようになった。阿部監督から〝愛のゲキ〟を飛ばされ続けたことで、メンタルも強くなったのかな」と驚きの声が出ていた。

 阿部監督もその心意気を高く評価し、2月の宮崎春季キャンプ中に地元テレビ局の番組に出演した際に「期待する選手」を問われ「生意気に『背番号を変えろ』と言ってきた井上ですかね」と異例の名指しで公表。裏ローテのカード頭を託した経緯について、指揮官は「背番号変えろとか言っているくらいだからね。それくらいやってもらわないと」と〝阿部節〟で期待を寄せていた。

 精神面でもタフさを兼ね備えるようになってきた。今季の井上はマウンド上で強烈な「我」を発揮し、勝ち星も積み上げていく。