〝超速決着〟だ。日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は27日に東京・両国国技館で会合を開き、大関豊昇龍(25=立浪)の横綱推薦を全会一致で決定した。
この日の会合は開始からわずか8分間で終了。山内昌之委員長(東大名誉教授)は「今回の優勝は12勝3敗という数字だが、実際には優勝決定巴(ともえ)戦を通じて17回戦った。底力、精神力を評価したい」と推薦理由を説明した。豊昇龍は初場所で平幕に3敗を喫し、3場所前は8勝どまり。成績に物足りなさは否めない。それでも委員から異論が出なかった背景には、横審の変容がある。
過去には横審が横綱候補の「最後の壁」として立ちはだかった時代があった。1994年秋場所後に大関貴ノ花(のちの横綱貴乃花)の推薦をめぐって2時間にわたる大激論となり、最終的に見送りになった例もある。その後も内館牧子氏、沢村田之助氏、鶴田卓彦氏ら辛口の論客が綱取りに厳しい条件を突きつけ、横綱昇進後も相撲内容に目を光らせた。
しかし、こうしたうるさ型の委員は10年の任期満了に伴い一人、また一人と退任していった。近年の横審は、かつての門番としての役割は薄れ、相撲協会の決定を追認。お墨付きを与える意味合いが強まった。初場所千秋楽に審判部が方針を固めた時点で、豊昇龍の横綱昇進は決定的な流れになっていたと言える。
いずれにせよ、横審を通過した以上はもう後戻りはできない。豊昇龍は横綱として、どのような道を歩むのか。












