ハイレベルな戦いとなった陸上の1万メートル日本選手権(10日、東京・国立競技場)で男子の塩尻和也(富士通)が、渾身のガッツポーズを披露した。

 2024年パリ五輪の選考会を兼ねて行われた一戦は、塩尻、相沢晃(旭化成)、太田智樹、田沢廉(ともにトヨタ自動車)が優勝争いを展開。田沢は9000メートル付近で脱落するも、塩尻は最後まで粘り抜き、ラスト1周で後続を大きく引き離した。塩尻は相沢が持っていた日本記録(27分18秒75)を大きく更新する27分9秒80で初優勝。日本記録樹立に全身で喜びを表現した。「終盤の8000まで先頭集団について、勝負どころで前に出られるように意識していた。タイムも日本記録だったので、いい結果で走れたかな」と笑みを浮かべた。

 16年リオデジャネイロ五輪には、3000メートル障害で出場。19年には右ヒザに大ケガを負ったこともあり、5000メートルや1万メートルに主軸を置いている。塩尻は「結構未練はある。消化不良で終わっているところある」としながらも「日本記録をステップに、27分切りを目標にしていきたい」と抱負を述べた。

 パリ五輪の参加標準記録(27分00秒00)には届かなかった塩尻だが、今大会での自信を成長への糧とする。