〝輝き〟は増すばかりだ。フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日(9日、中国・北京)、女子フリーはショートプログラム(SP)首位の坂本花織(シスメックス)が148・35点をマークし、合計225・70点で初優勝を飾った。

 2018年四大陸選手権、22、23年世界選手権では金メダルを獲得。22年北京五輪は銅メダルを獲得するも、主要国際大会で唯一、GPファイナルの表彰台には上がったことがなかった。〝鬼門〟と言っても過言ではない一戦は、ステップアウトとなった3回転フリップ以外は大きなミスなくまとめた。「ライバルは過去の自分。自分に打ち勝てたのはうれしい。『よくやった』と言いたい」と笑顔がはじけた。

北京の会場で広げられた坂本花織を応援する横断幕(ロイター)
北京の会場で広げられた坂本花織を応援する横断幕(ロイター)

 日本女子の3冠(四大陸選手権、世界選手権、GPファイナル)達成は浅田真央以来、2人目の快挙。フィギュア界で23歳はベテランとされるが、常に進化を続けている。坂本をよく知るフィギュア関係者も「年々、表現の幅も広がっていて、坂本選手の良さも生かしつつ、さらに広がっている。フィギュアの滑りやスピード感だったりとか、多彩な表現を見せてくれている」と太鼓判を押した。

 前回大会はSPで首位発進を見せるも、フリーで大失速。5位に沈み、大粒の涙を流した。坂本は「弱い部分があるからこそ、そこから這い上がろうと思って頑張ることができる。それを乗り越えることで、より一層強くなれるのかなと身をもって感じた。これからの糧になると思った」。キスアンドクライで浮かべたうれし涙は、悔しさを力に変えた証しだ。