旧統一教会の被害者(1世、2世、親族)有志一同、宗教2世問題ネットワークが29日、国会内で開かれた立憲民主党の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)国対ヒアリング」に出席した。

 旧統一教会をめぐる2法案は自民、公明、国民民主の3党と、立憲と日本維新の会の2党がそれぞれ提出。与党は12月1日の衆院法務委員会で採決を目指すが、2法案の隔たりは大きく、一致点を見いだせるかは不透明な状況だ。

 自民、公明両党の与党と国民民主党は、財産処理分の監視を強化する特例法案を共同で提出。一方、立憲と日本維新による野党案は、裁判所が財産の保全を宗教法人に命令できる内容の特例法案を共同で提出している。

 被害者の鈴木みらいさん(仮名)は与野党に提出した「旧統一教会の財産保全等に関する与党案および野党案の双方を可決するよう求める要望書」の中身をこう明かした。

「今後、解散命令請求に基づく裁判が慎重に行われていく上で、速やかに教団の財産保全の手段を取らなければ、被害者への賠償が行われなくなってしまうことが問題であると私たちは認識しています。現在、その問題に対応するための法整備について臨時国会で議論されています。しかし、自民、公明、国民民主党の法案(与党案)について、統一教会の本性を知っている私たち被害者は、残念ながら与党案だけでは被害者救済のために極めて不十分であると認識しております」と強く要請した。

 与党案の問題点は3点あると指摘した。

「不動産処分前の通知義務や財産目録などの提出回数を増やすなどの案が出ています。これはあくまで報告義務に過ぎず、正面から財産の保全を図りうるものではありません。与党案が提案する外為法による対応は、まだその具体的な中身が明らかになっていませんが、対応できたとしても海外への資産の流出を防ぐものにすぎません。法テラスの訴訟支援を充実させる案は、必要な措置であり、ぜひとも実効性を持っていっていただきたいです。しかし、それらは被害者個人に対し、自助努力が求められるもので財産保全とは別の話との認識でおります」

 立憲と維新の野党案に対しては、旧統一教会以外の宗教団体から「信教の自由の重要性に鑑みて健全な宗教活動に務める多くの宗教法人に不要な不安を招かないように」と配慮を求める声があがっている。

 鈴木さんは「野党案は統一教会以外の宗教法人に適用されるものではありません。信教の自由が守られる範囲で財産保全を検討していく余地は大いにあり、それについての与党側の意見が聞けておりません」としたうえで、「与野党両案を成立させてほしい」と訴えた。