F1今季最終戦アブダビ・グランプリ(GP)でアルファタウリの角田裕毅(23)は、今季最高タイの8位入賞を果たした。ほとんどの選手が2ストップだった一方で1ストップを選択する〝奇策〟が議論を呼ぶ中、モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(61)はどう見たのか――。

 角田は6番手スタートから序盤に上々のスピードを見せたが、20選手中わずか3人しか選択しなかった1ストップ作戦を敢行する。中盤に一時先頭に立つも、終盤はタイヤの余力が落ちてペースが落ち、順位も徐々に下降。それでも最後はレジェンドのルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛追をしのいで8位を死守した。懸命の走りはファンから支持され、最も活躍した選手に贈られる「ドライバー・オブ・ザ・デー(DOD)」を初受賞した。

「うまくいかなかったが、1ストップ戦略を試したことを後悔はしていない」と角田は語ったが、メディアや関係者を巻き込んで賛否両論が沸き起こっている。

 小倉氏は「いろいろ意見は分かれているが、結果としてうまくいったのではないか」との見解を示し、その理由をこう説明する。「1回だとより長く走らなければならないので、ラップタイムは遅くなってくる。ただ、2回ならピットストップに時間がかかる。同僚のダニエル・リカルドはトラブルもあり2回を選択したが、終盤はそんなに速くなかった」

 終盤に追い抜かれた6位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)や7位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のマシンと比較して「いい勝負か少し遅いくらい」の性能差もあり、他選手と同じ2ストップ作戦でも結果は変わらなかったとの見立てだ。

 それよりも1ストップによって見せた〝劇走〟に価値があると強調する。「18~22周目までトップに立ってレースを引っ張ってみんなの度肝を抜いた。最後にハミルトンを抜き返し、ものすごいインパクトも残した。世界の関係者やファンをうならせ、角田はすごい働きをしたと思う」とF1界で角田の評価を爆上げさせたと分析した。

 今季ラストランは、来季以降の飛躍につながっていきそうだ。