世界最大プロレス団体・米WWEのスーパースター、中邑真輔(43)がPLE「サバイバーシリーズ」(25日=日本時間26日、イリノイ州シカゴ)のPRのため帰国した。16日の会見後に本紙のインタビューに応じ、充実の1年を振り返ると同時に、日本プロレス界に救世主登場の必要性を熱弁した。

 ――ここまでの2023年を振り返って

 中邑 一気に流れが変わったなって思いますね。奇跡の(グレート)ムタ戦(1月1日・ノア日本武道館大会)から。もちろんABEMAでのロウとスマックダウンの放映もWWEで活躍するわれわれ日本人にとっては非常に心強いですし。コロナで頓挫した日本公演もこの流れで開催できるといいなと思います。

 ――ムタ戦はキャリアで特別な試合に

 中邑 それはそうですよ。グレート・ムタの最後のシングルマッチの相手を務めたわけだから。これ以上の大役はないだろうと。プロレスラーとしてもプロレスファンとしても。忘れかけていた感情の扉、その奥にも扉があったのかってくらい感情が流れ出してきたって意味では、新鮮な体験ができたなと思ってます、この年で。

 ――WWE中継で日本語でのアピールも定着

 中邑 頑張って世界進出したい日本人アーティストが、無理してじゃないけど、英語で歌ったりしてるんですけども。それ以上に「BABYMETAL」とか「BAND―MAID」とか「新しい学校のリーダーズ」って子たち、全然日本語で歌ってるじゃないですか。米国でウケる日本のコンテンツって、イジらなくていいみたいな部分もあって。そういうものが受け入れられる土壌が育ってきたんじゃないかなと思いますね。

 ――やりやすさもある

 中邑 いやもう大変な作業ですよ。だって、WWEのライブイベントに日本語が使える人間なぞいませんからね。誰がサブタイトルを付けてると思ってるんですか(笑い)。

 ――来年でWWE9年目に突入する。この舞台で長期活躍する秘訣は

 中邑 一生懸命やる、ですよ。いけしゃあしゃあとやってるわけじゃないから。あの手この手、どっぷり使ってやってるつもりです。短期でちょっとやってきて試合だけして帰るって米国での活動の仕方もあるとは思うんですけど。根を下ろして、家族とともにその文化の中で生活していくことになるので、ある種の覚悟はいりますよね。

 ――他ジャンルで活躍する日本人からの刺激は

 中邑 ありますよ。僕、若い子で米国とか世界に挑戦する子たち、無条件で応援してます。たまに連絡来るのはスタンダップコメディーやってるSaku Yanagawa君とかかな。米国の文化の中で勝負してる子がいるので、しゃべりとかお客さんの反応の引き出し方とか、一つ勉強にもなってますよね。

 ――日本ではMLBの大谷翔平投手やNBAの八村塁の活躍が大きな注目を

 中邑 うらやましいなって思います。僕なんかは参入障壁がガンガン高い時期からいるから、世界の壁ってむっちゃ厚く感じてたんですよ。でも今のあの子たちを見てると、実力をそのまま発揮できてるから、僕が勝手につくってた壁を感じないから。いいなあ、カッケーなって。

 ――日本のプロレス界では昨年、師匠のアントニオ猪木さんが死去

 中邑 武藤(敬司)さんも言ってましたけど、一つの時代が終わって。武藤さんも昭和・平成プロレスの砦だったんですけど、そういう時代も一つ区切りがついて。僕にとっては新しい世代がオカダ(カズチカ)とかだったんですけど、またそれもそろそろかなって思うんですよ。オカダも今、36? いい感じの脂の乗った感じになってきて、その次の…っていうのがそろそろ出てきていい時期かなと思いますね。それが出てくるのを楽しみにしていますよ。

 ――ちょうど今のオカダ選手の年齢の時に中邑選手はWWEに入団

 中邑 だからその年に内藤(哲也)とか、ケニー(オメガ)とかもそうだけど、ニョキニョキって台頭してきたヤツがいるわけじゃないですか。もうそろそろ日本プロレス界の救世主的なヤツが出てきても面白いと思いますけどね。むしろ出てこないとダメ? うん、そう思いますよ。

 ――今後の目標は

 中邑 コンスタントに活躍するってこと、コンディションをキープしながら徐々に上げていきたいなって思いますね。あとは時代とともに微調整していきたいなと。