【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんが少年野球教室で恒例のフリー打撃を披露しましたが、まさかの柵越えゼロに終わったことがニュースになっていました。
「今日は私がとうとうホームランを打てなくなった記念すべき日。これからは皆さんの時代です」と松井さんらしくジョークを交え、笑いを誘っていたようです。ホームランが打てなくなったことがニュースになるのがスーパースターですよね。

 野球の実力もさることながら松井さんを人気者にしたのがゴジラというニックネーム。日米通算507本塁打を放ち、アメリカでもゴジラの異名にふさわしい活躍を見せてくれました。

 本家ゴジラは現在公開中の映画「ゴジラ―1.0」が公開3日で興行収入10億円を超える大ヒットをかっ飛ばしています。今回はそのヒットの要因を考察したいと思います。

 今作はゴジラの生誕70周年記念で、日本で制作されたシリーズ30作目。絶対にコケられないというプレッシャーがあったと思います。以前は強い敵が次から次と現れ、ゴジラが戦うというマンネリがありました。しかし前回の「シン・ゴジラ」(2016年)では「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明さんが総監督を務め、ゴジラを庵野ワールドで表現。監督によってゴジラをどう表現するのかという楽しみ方に変わってきました。

 今回、メガホンを取ったのは「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴監督です。タイトルにある「―1.0」なんですが第2次世界大戦の敗戦で焼け野原(ゼロ)になった日本が、ゴジラの襲撃によって「負(マイナス)」の状態に追い込まれていくという意味です。

 舞台を戦後の日本にしたのは山崎監督らしいなと思います。時代によって周囲の建物が大きくなりゴジラが埋もれている印象がありました。本作ではゴジラの迫力と恐怖を表現することに成功しました。

「シン・ゴジラ」ってほぼ人物が描かれてないんですよ。庵野監督は多くを語らず、お客さんに考察させるスタイル。一方、山崎監督は浪花節がうまい。人物関係や心情を丁寧に描き、泣かせる演出をします。山崎監督お得意の昭和の風景の中にゴジラを落とし込みました。

 ゴジラファン以外も分かりやすく楽しめることが最大のヒットの要因だったと思います。ぜひスクリーンでゴジラを体感してください!

☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のアリコンch」で紹介している。