【赤ペン! 赤坂英一】巨人の宮崎秋季キャンプでひときわ大きな声を出しているのが、総合から内野守備に配置転換となった川相昌弘コーチだ。ノックしながら「もっと突っ込め!」とゲキを飛ばし、シート打撃で「ツーアウト、一、二塁!」と状況を指示。よく通る声がグラウンド中に響き渡っている。

「僕はもう、首脳陣の中で最年長なんだけどね。還暦前のおじいちゃんが元気でやってるのはいいことじゃないですか」

 川相コーチ本人がそう語るように、今年59歳の〝アラ還〟。阿部新監督(44)、二岡ヘッド(47)、矢野打撃コーチ(43)ら新首脳陣とは一回り以上年齢が違う。選手となると、親子よりも年の差のある者がほとんどだ。

「でもね、だからこそ、選手を指導する時、常に元気なところを見せないといけないんです」と、川相コーチは強調する。

「コーチが今日はしんどいなとか、ラクしたいと妥協した態度でいたら、選手にはすぐ分かる。僕たちが一生懸命ノックをしたり、助言したりすることで選手も感じるものがあるはずだし、ついてきてくれると思うから」

 コーチもフルパワーで動くために、秋季練習ではメニューごとに時間や本数を設定したという。

「例えば20分なら20分と決めて、その中で目いっぱいやってくれ、と選手にも言いました。外野からのスローイング、内外野の連係と、コンビネーションの必要なプレーをグッと集中してやろう、と」

 川相コーチはこれまで一軍ヘッド、二軍・三軍監督、一軍監督代行と重要ポストを歴任。それが今では、実戦的な技術を教える一コーチとして選手と汗を流している。

 そんな内野守備担当への配置転換は、阿部監督から電話で直接伝えられた。

「秋季練習が始まる少し前だったかな。来年から内野守備をお願いしますと言われました。正直、自分は来年どうなるかと思っていたのでうれしかった。今年1年継続してきた守備のハンドリング練習や三塁コーチャーの仕事が認めてもらえたのかな。バントも見てくださいということなので、そこは打撃コーチと話し合ってやっていきます」

 来年はいよいよ還暦。だが、かつて巨人でともに働いた内田順三氏(76)は今年1月ロッテに臨時打撃コーチに招かれた。DeNAの田代富雄巡回打撃コーチ(69)は来年から一軍専任となってユニホームを着続ける。

「内田さん、田代さんには指導者としての最終的な姿を感じる。僕も自分の持ってるものを選手に伝えて、1年でも長く続けられればと思います」