またも竜打線が沈黙した。最下位・中日は17日の広島戦(バンテリン)に0―3と今季23度目の零封負け。借金は再び今季ワーストタイとなる「29」まで膨れ上がった。

 ホームが遠かった。打線は相手先発の九里の前に3回まで無安打。4回は大島の二塁打などで一死一、二塁、6回は先頭の岡林の安打、大島の四球で無死一、二塁など再三、好機をつくりながらあと1本が出ず、7回4安打に抑えられて今季8勝目を献上した。結局、2番手・島内、抑えの栗林も攻略できず、最後までスコアボードは「0」のままだった。

 この日は6月12日に肺炎のため97歳で亡くなった球団OB・杉下茂氏の追悼試合。現役時代に通算215勝を挙げて「フォークの神様」として一時代を築いたレジェンドで、追悼遥拝(ようはい)所がバンテリンドーム内に設置され、立浪監督やコーチ、選手、スタッフが合掌し、30秒間の黙とうをささげた。この日は故人の生誕日でもあった。しかし、喪章を着用して試合に臨んだが、天国に勝利を届けることはできなかった。

 先発した選手会長の柳は8回4安打2失点と好投したが、打線の援護がなく、今季11敗目を喫した。杉下氏は明大の偉大な大先輩でもある7年目右腕は「杉下さんの追悼試合だったので、良い投球を見せたかったです」と悔しがった。