「さらば」の時が来た――。右ヒジの靱帯損傷と右脇腹の炎症を抱えているエンゼルス・大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)に15日間の負傷者リスト(IL)入りし、今季の残り試合を欠場することになった。球団発表後、ペリー・ミナシアンGM(43)は大谷が近日中に2度目の右ヒジ手術に踏み切る見通しを明かした。前日15日の本拠地タイガース戦を11試合連続で欠場した大谷は試合後に自身のロッカーを整理。今オフのFAで他球団移籍が濃厚視されているだけに「このままエンゼルスを去る」との見方が強まっている。

 あまりにも寂しい、エンゼルスでの「エンディング」となってしまうかもしれない。15日に本拠地エンゼル・スタジアムで行われたタイガース戦終了後、メディア取材が解禁となる約10分前の時点でクラブハウス内の大谷のロッカーはほぼきれいに片付けられていた。クラブハウスがオープンとなった際には大谷の姿はなく、残されていたのはハンガーにかけられたTシャツやウインドブレーカーなど数点の練習用ウエア類のみ。遠征用のボストンバッグが置かれ、野球道具や私物は持ち帰られていた。

 8月23日に右ヒジの靱帯損傷が発覚し、投手としての今季出場を断念。以降は打者のみに専念して試合出場を続けてきたが、4日の本拠地オリオールズ戦前に行った屋外での打撃練習中に右脇腹を痛め、その後は11試合連続欠場が続いていた。

 その間もネビン監督は大谷の復帰をにおわすコメントを発し続けてきたものの、16日になって球団側がIL入りを発表。ミナシアンGMも会見を開き、大谷が前日に右脇腹のMRI検査を行ったことを明かした上で「患部に炎症がみられた。医師とも相談し、今シーズンのプレーは中止することになった」と続けた。

 さらに同GMは「(16日の)タイガース戦の初回か2回のところで、その(今季終了の)結果が出た後だったと思うが、彼はすぐに右ヒジに関して手術も含めた医療処置を受ける決断を下し、ロッカーの荷物をまとめ始めた」。手術の内容については、2度目のトミー・ジョン手術かどうかわからないとした。

 大谷が自身のロッカーを整理し球場を去ったことについても「彼は心の中で早くチームに戻ってきたいからこそ、この決断を下したのだと思う。シーズン終了後、2024年に向けても準備をしなければならないからだ」とポジティブな見解を示した。そして「できるだけ早く右ヒジの手術を終え、来年に向けて準備を始めたいのは明らかだ。彼は偉大な選手であり、偉大な人間。誰でもそばにいたいと思う。彼はチームの一員だ」と強調。「彼が長くここにいてくれることを願っている。26日のホームゲームからチームに帯同してくれることを私としては望みたい」と念押しした。

 とはいえ、同GMの見通しに対しては多くのMLB関係者の間から「楽観し過ぎている」との声が飛び交っているのが現状のようだ。今オフに大谷はFAとなり、去就の決断が控えている。自身がかねて「ひりひりする9月を過ごしたい」と切望していた流れとは裏腹にチームは8月に入ってから大失速。けが人続出と度重なる補強失敗も大きな要因となり、15日には地区優勝の可能性も完全に消滅した。

 それだけに「エンゼルスは必死にひた隠しにしているが、オオタニと球団の間にミゾができていることは明白。FAになれば、彼はエンゼルスを出ていくだろう。9月3日の敵地アスレチックス戦が事実上、エンゼルスでのラストゲームとなるのではないか」(MLB関係者)との指摘もある。

 FAとなる大谷にはドジャース、ヤンキース、ジャイアンツ、レッドソックスなど数多くの球団が移籍先候補として挙げられており、米メディアの間では5億ドル(約739億円)を超える史上最高額の契約に到達するとも報じられている。

 前出の関係者は「チームメートに別れも告げず荷物をまとめて出て行ったのは、オオタニ流のケジメ。感傷的になってエンゼルスに未練を残したくなかったからだろう」ともコメント。大きなターニングポイントを迎えた大谷の今後に注目だ。