万々歳かと思いきや…。オリックスの山本由伸投手(25)がライバル球団の期待も一身に背負っている。
16日の楽天戦(京セラ)はメッツやカブス、レッドソックスなど9球団のメジャースカウトが集結するなか、山本は7回を9安打3失点。打線の援護にも恵まれず、1か月ぶりの6敗目を喫し「走者を許してしまうイニングも多く、苦しい投球になってしまった。3回は先制点を取った直後のイニングでしたし、逆転を許してしまって悔しい」と反省の弁を並べた。
15勝目はお預けとなったが、もっか勝利数(14勝)、防御率(1・32)、勝率(7割)、奪三振(148)と3年連続投手4冠ペースで、3年連続の沢村賞も確実な状況。そんななか、国内の他球団スコアラーは苦しめられた山本との対戦をこう振り返る。
「今年は走者はためてもあと1本が出ない。ギアチェンジして変化量が変わるのが今年の彼のすごさ。球数を制限するために変化球が増え、走者を背負っての投球がピカイチ。その攻略法はこっちが選手に伝えられない。配球うんぬんではなく、バットを短く持ったりすることでしか対応できない。対策をとっても最後は個人の技術になる」
その天敵はメジャー移籍が濃厚となり、来季からいなくなる。対策に頭を抱える必要がなくなり、ひと安心ではあるが「そうは言ってもオリックスは毎年いっぱい投手が出てくる。曽谷もいいし、東も出てきて参っちゃう。スカウトが優秀だし、育成もいい。福良GMがいい流れを作っている」(別のスコアラー)と引き続き気は抜けないようだ。
中には「山本がどこまでメジャーで通用するのか僕らも楽しみですよ」とエールを送る声まで…。ライバル球団に白旗を上げさせ、魅了させた山本。日本のエースとして全球団が動向に注目している。