◇大山千広(27)福岡支部116期

 ボートレース下関の「第10回ヤングダービー」が19日に開幕する。30歳未満のヤングレーサーの成績(勝率)上位選手が集結。同じ世代のプライド、意地が激しくぶつかり合う。今年の新鋭決戦で輝くのは誰か――。ビッグレース恒例のカウントダウンコラムは「きらめけ!新星」と題してV候補レーサーをピックアップする。第1回は女子初のヤングダービー制覇の期待もかかる大山千広が登場。優勝への意気込みを明かした。

「優勝したいですね。ヤングダービーはあと何回出られるか分からない。今回がラストかもしれないんで」――。6年連続6回目の出場を前に力強く、こう語った。〝30歳未満〟という年齢制限があるビッグレース。まだ27歳。順調なら来年、再来年も出場できるが、ケガやF休みなどでチャンスを失ってしまうこともある。

 実際、大山自身も昨年10月まるがめのレース中の事故で骨盤などを骨折。約4か月の長期休養を強いられた。それだけに今回の出場機会をしっかりと生かしたいという思いも強くなる。

 復帰戦の2月蒲郡GⅡレディースオールスター優出6着をはじめ今年はここまで7優出2V。「ケガから復帰してすぐは体が戻ってなかった。練習もできてなかったしレディースオールスターの優出はたまたま。あの優出にあんまり意味はないかなとも思ってます。今はレースもメンタルも戻っていて以前と特に変わったこともない。何の不安もなくレースができています。正直、いいエンジンを引けてない割にペラは合っていると思う。エンジンなりには、やれてるのかな」と本来の調子を取り戻しつつある。

 また、発奮材料もできた。福岡支部で2期上の114期羽野直也が7月児島オーシャンカップでSG初制覇。「羽野さんは、いつかは取るだろうと思っていた人が取った。メンタルが強いなって思ったし、刺激を受けました。いずれは自分もSGを取りたいなという気持ちはあります」と目を輝かせる。

 当地は2021年7月以来2年2か月ぶりの参戦。2018年3月GⅢオールレディースと2020年6月ヴィーナスシリーズの2Vと実績がある。「下関は好きです。久しぶりだけど印象はいい。海水の場で瀬戸内の回らない場は調整が合いやすくて出足とか良くなりやすいんです」と調整面でも自信をのぞかせる。

 ヤングダービーでは初出場の2018年浜名湖大会で優出6着。「同世代との戦いは陸の上が楽しいくらいで戦い方も気持ちもあんまり変わらない。ただ、GⅠということで気持ちが変わりますね」とキッパリ。2019年蒲郡レディースチャンピオン以来2回目となるGⅠタイトル獲得に燃えている。