西武・中村剛也内野手(40)が31日の楽天戦(楽天モバイル)で値千金の13号同点ソロを放ち、5―4の逆転勝ちに貢献。チームの連敗を4で止めた。

 中村はこれで通算本塁打数を467本(歴代12位)とし、目指す500号にあと33本と迫った。

 楽天・浅村に連夜の被弾、代打・鈴木大に逆転打を打たれ3―4と主導権を奪われた直後の8回だった。

 この嫌なムードを22年目のベテランのひと振りが振り払った。楽天4番手・渡辺翔の初球、149キロストレートをとらえた中村のバックスピンのかかった打球が、高い放物線を描きながらバックスクリーン左へ着弾した。

 この同点弾で息を吹き返した西武は続く渡部の二塁打、蛭間の犠打に敵失が絡んでさらに1点を奪い逆転に成功。中村は「打ったのは真っすぐです。打てて良かったです」と淡々とこの効果的な一発を振り返った。

 これで今季、中村の本塁打13本の内訳は先制3本、同点4本、勝ち越し2本、逆転1本と実に10本(76・9%)がここ一番で飛び出した殊勲の本塁打。長打力不足の打線の中で、打ってほしい場面で、意味のある一発を打てる不惑の大打者の存在感はやはり代えが利かない。

 30日、知人女性に対する強制性交の疑いで書類送検されていた山川穂高内野手(31)が嫌疑不十分で不起訴処分となり、その現場復帰に向け球団の処分等、今後の展開が注目を集めている。

 来季、打線にその山川がいる、いないで10・26ドラフト、また今オフの外国人補強の方向性も変わってくる。

 いつまでも中村頼みでは西武に未来はない。しかし、あと33本に迫った500本塁打という大目標に向かう中村が健康でありさえすれば、ボールに逆回転をかけてスタンドに運べる唯一無二の技術がある。

 中村の持つ本塁打を打つ技術はまだまだ相手の脅威であり続けられる。