大手回転ずしチェーン「スシロー」を運営する株式会社「あきんどスシロー」の代表取締役社長の新居耕平氏が29日、都内で行われた「メディア向け商品戦略説明会」に出席した。

 1月末、男性客がしょう油ボトルの注ぎ口を舐めるなどした、いわゆる「ペロペロ動画」がSNS上で拡散され大炎上。騒動が落ち着きかけた2月中旬にもすしに消毒スプレーを散布する動画が再び話題となるなど、スシローは迷惑動画騒動に振り回された上半期だった。

 騒動後初のメディアに向けた説明会、それも社長の新居氏直々の新商品紹介ともあって多くの報道陣が集まった。

 新居氏は冒頭で「迷惑動画で外食産業自体が大きな影響を受ける中、スシローを応援するメッセージや店頭へのたくさんのご来店をいただき、感謝で胸がいっぱいになりました。本当にありがとうございます」と顧客へ感謝を伝えた。

スシローはお手頃価格の黄皿を増やす
スシローはお手頃価格の黄皿を増やす

 スシローは今回「お客様の声をカタチに」と銘打った取り組みで5月31日から低価格帯の新商品を多数追加する。

 広報担当者への取材では「低価格帯を追加しなければならなかった理由は」「立て直しを図るという戦略は」と迷惑動画騒動を踏まえた質問が飛んだが、担当者は迷惑動画との関連を否定。「お客様により楽しんでいただきたいと願って考えたこと」と強調した。

 改めて「騒動を受けての施策では」と直接的に迷惑動画との関連性を問われるも「以前からいただいていたお客様の要望を形にしたものです」との回答だった。

 また、一部で報道されているレーンを回転させてのすし提供の再開についても、「様々な角度から検討しているが、現時点でお伝えできることはありません」と明言しなかった。