ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による性被害を訴えている元ジャニーズJr.で俳優・ダンサーとして活動する橋田康(37)が26日、東京・日本外国特派員協会で記者会見を開いた。

 橋田は1998年に同事務所に入所し、19歳になるまでジャニーズJr.として約7年間活動。冒頭で、入所から1年たった公演で訪れた宿泊先のホテルで、ジャニー氏から性加害を受けたことを告白。当時、涙を流すほどショックを受けたことや、翌朝にジャニー氏から1万円を手渡されたことを明かした。

 これまでに元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏らが訴えてきたジャニー氏の性加害問題。同事務所の藤島ジュリー景子社長は、14日に謝罪の動画と文章で見解を発表したが、性加害問題について「知りませんでした」と説明。さらに、ジャニー氏がすでに亡くなっており、個別の告発内容が事実かどうかを判断するのは容易ではないとしている。

 会見で、橋田は「私が実名、顔出しをすることで、今後芸能活動をしていく上でリスクがあることは十分に承知しています」と不安も吐露。一方、ジュリー社長に対してはファンからも動画での一方的な発信ではなく、質問を受け付ける会見を臨む声が寄せられている。

 橋田は「個人的にですけど、会見はしてほしいなと思います」と主張。「うやむやな部分が増えれば増えるほど、応援している人たちも迷ってしまうと思いますので、キチンといろんなことを。『知らなかった』ではなくて、キチンといろんなものを提示していただけたら。僕だけじゃなく、いろんな人が感じていると思う」と明かした。

 また、ジュリー社長は、今後については被害者から相談を受ける外部窓口の設置などの対策、経営改革、社内意識の抜本的改善を表明。しかし、「ヒアリングを受ける人の心理的負荷に注意すべきと外部の専門家から指導を受けた」などを理由に第三者委員会は設置しないとしている。

 橋田は「僕は第三者委員会の設置は賛成です」と、事務所の姿勢に懐疑的。その理由については「いろんなことが可視化されないと、信じれないとか疑ってしまうことが生じてしまう。まったく別の角度からジャッジしてもらうなり、公表してもらう方が信用につながると思う」と訴えた。