エンゼルス大谷翔平投手(28)の配球を敏腕記者として名高いケン・ローゼンタール氏があらためて注目している。24日(日本時間25日)の米スポーツサイトのアスレチックで「大谷翔平はスイーパーの割合を増やし、昨年に続き今季もスプリットの投球数を減らしている。それはつまり…6か月後に迫るFAに向け、腕を温存しているのか?」という興味深い疑問を投げ掛けたのだ。

 ローゼンタール記者は、2021年に大谷にとってベストなボールだったスプリットは、22年のベストピッチであるスイーパーに比べ、腕にかかる負担が大きいと指摘。それが配球に影響していると考えている。

 実際、球種別の割合でスプリットが21年の18・1%から昨季は11・9%に減少、今季は7・4%とさらに減っている。逆にスイーパーは21・9%から昨季が37・4%と大幅に増え、今季も43%だ。FAとの関連性はさておき、米メディアも注目している点だ。

 ただ、大谷は15日(同16日)のオリオールズ戦はスプリット14%、スイーパー27%、21日(同22日)のツインズ戦ではスプリットが16%、スイーパーは27%と直近の2登板では割合を変えた。今季許した8本塁打中、5本がスイーパーを打たれていることも影響したと考えるのが自然だろう。

 大谷はツインズ戦の試合後に同サイトのエンゼルス番サム・ブラム記者にその理由を聞かれ「何ですかね? まあ、投げたいと思ったので投げた感じなので、まあその前まではスライダー投げたかったから投げたっていう感じでしたし、まあそれだけかなと思います」とだけ説明した。

 ローゼンタール記者は、フォーシームの平均球速は昨季が97・3マイル(約156・6キロ)で今季は97・2マイル(約156・4キロ)と変わっていないが、スプリットは89・3マイル(約143・7キロ)から88・6マイル(約142・6キロ)、カットボールは90・7マイル(約145・9キロ)から89・8マイル(約144・5キロ)と約1マイル(約1・6キロ)減速しているとも指摘した。これが腕の温存を意味しているのか不明だ。

 ただ、今年は大谷が球種を決めており、割合を変えている理由は本人しか分からない。それにもかかわらず、FAに絡めて考察するということは、当然だが、今年のMLBの最大の関心事は大谷の去就ということだ。