フィギュアスケートの競技普及の〝難しさ〟が改めて浮き彫りとなった。

 女子でトリノ五輪金メダルの荒川静香氏、男子で五輪2連覇の羽生結弦などを輩出した宮城・仙台の「アイスリンク仙台」は、公式サイトで6月1日から8月31日までの3か月間にわたり、一般営業を中止すると発表。6月はスケート教室が実施されるものの、電気代の高騰が理由だという。

 かねてスケートリンクを巡っては、維持費等の高騰が大きな問題となっていた。福岡市内唯一の常設リンクは休館を余儀なくされたが、県内の企業のサポートにより「オーヴィジョンアイスアリーナ福岡」としてリニューアルした。しかし、このようなケースは例外で、閉鎖に追い込まれたリンクは複数存在する。

 近年、フィギュア界では多くの選手が世界の舞台で活躍。認知度は右肩上がりだが、羽生も厳しい現状に頭を悩ましている。かつて「維持費の高騰などの理由でリンクが年々減少し、子供たちが満足にスケートをできなくなっている」との質問に対し「まあ、やっぱり難しいですよ、正直。フィギュアスケーターって本当に環境として難しいところもあります」と語っていた。

 ファンからは「アイスリンク仙台、経営的に考えると英断だと思うけれど何とかならないものだろうか…。日本で、世界で唯一無二の五輪チャンピオンの練習環境が電気代高騰でって…」「羽生君ファンなら、やっぱり心配になってしまうアイスリンク仙台の現状」「アイスショーにさえろくに行けない私ですけど、ゆづがピンチなのなら見過ごせません。ささやかでも協力させてください」などの声が上がっており、グッズやラインスタンプの購入を通じて支援する様子が多く見受けられている。