F1界で人気ドライバーたちへの中傷被害が深刻化して波紋を呼んでいる。
英メディア「GPファンズ」は、この問題を取り上げて「ネット上での〝虐待〟は新しいことではなく、F1は自社のプラットフォームに表示されるネガティブなメッセージを阻止しようと、Arwen.aiと協力して有害なコンテンツを阻止しようとしている」とF1界全体による取り組みを紹介。「このシステムは人工知能を通じてメッセージを分析しており、昨年12月には〝重度に有害〟とされる2400件のメッセージがSNS上に表示されるのをブロックした」と深刻な中傷投稿が相次いでいる実情を伝えた。
その標的となっているのは人気ドライバーだ。史上最多タイとなる7度の年間王者に輝いているルイス・ハミルトン(メルセデス)はあまりのひどい状況に「人々はSNSから離れるべき」と主張。昨季王者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は「私が目にしたものは、どれもかなり不快なものだ。私をそのように貶めるのは、正直言ってばかげている」と怒りをぶちまけ、こう続ける。「(中傷する)人は、私がチーム内でどのように働いているか、そしてチームが私について何をどう評価しているのかを知らない」と部外者による批判は的外れだと断罪した。
事態の深刻化を受け、F1を統括する国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベンスライエム会長が動いた。
「F1選手に対するネット上での虐待行為の増加に対抗するため、マイアミ・グランプリ(GP)でツイッター界の大御所であるイーロン・マスク氏と会談した」とIT業界の超大物であるマスク氏と電撃会談した。
F1界では昨年からSNS問題の対策に乗り出しているが、マスク氏と協議してさらに強化していく方針だ。議論は進展しているようで、ベンスライエム会長は自身のSNSで「マイアミGPでイーロン・マスクに会えて、ネット上での中傷と闘うために、お互いの取り組みについて話し合えてよかった」とコメントしている。
F1界のマスク氏との取り組みに注目が集まる。