スペイン1部レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(21)の古巣であるレアル・マドリード復帰は時期尚早のようだ。スペインメディア「フットボール・エスパーニャ」が考察している。

 久保は2日(日本時間3日)に行われたホームのレアル・マドリード戦で決勝ゴールをマーク。2―0の勝利に大きく貢献した。0―0の後半2分、右サイドのDFエデル・ミリトンからGKティボー・クルトワへ送られたバックパスのズレを見逃さなかった。ボールへと一気に走り込んんでゴールネットを揺らしてみせた。

 この一戦を迎えるにあたっては、Rマドリードのカルロ・アンチェロッティ監督が、久保の今夏復帰に「私たちはそれを検討している。彼はとても素晴らしいプレーを見せているが、ここには多くの競争があり、久保のような選手にとって簡単ではない。それを考慮して数か月後に話し合う」と言及した。

 スペインメディア「フィジャヘス・ネット」は「Rマドリードが夏に久保を呼び戻す可能性もある」と伝えた。そのタイミングで古巣戦で結果を出したこともあって、復帰にムードが高まっている。

 しかし「フットボール・エスパーニャ」は〝待った〟の姿勢を打ち出した。「久保が非常にエキサイティングなポテンシャルを持っていることは否定できないが、現状では(Rソシエダードが設定した移籍金)6000万ユーロ(約89億円)の選手ではなく、Rマドリードにとってそれだけの価値があるわけでもない。将来的には間違いなくその評価に達するだろうが、その時は今ではない」

 さらに久保はセンターFWや右サイドバックといったRマドリードの優先補強ポイントに合致する選手ではない。同メディアは「Rマドリードが強化したい分野を考えると、必要ではない選手にそれだけの金額を費やすことは、(会長の)フロレンティーノ・ペレスの性格にそぐわない行動である」と分析した。

 Rマドリードでも、久保を再獲得する場合、6000万ユーロが必要となる。その一方で第三者のクラブが獲得動いた場合の拒否権を持つだけに、同メディアは続けて「Rマドリードが久保に対する最初の拒否権を持つことを考えるとRソシエダードでの彼の成長を見守り続け、新しい右ウイングが緊急に必要になったときに、状況を再検討するのがベストだろう」とまとめた。

 久保本人は、来季もRソシエダードでのプレーを望んでおり、自分の〝現在地〟をしっかり把握しているのかもしれない。