小説家の知念実希人氏(44)が自身のツイッターアカウント名から「医師」の肩書を外したことが、波紋を広げている。

 突然の変更だった。「小説家・医師」としてコロナ禍における数々のツイートを世に放ち、〝医療系文化人〟として界隈で有名になった知念氏。だが、1日になって突如、アカウント名を「知念実希人 物語り」に改めた。

 同氏のツイートによれば理由は以下。「最近、小説だけじゃなく、いろいろな脚本や企画など、物語にかかわる仕事をたくさん請け負いはじめていて、『小説家』を自称することに違和感をおぼえ始めたので、なんとなくストーリーテラーを日本語にした『物語り』という言葉が実態に合っている気がして、アカウント名ちょっと変えてみました。」と説明した。

 ただ「小説家」から「物語り」に変わっただけで騒動にはならない。話題となったのは、それまで添えられていた「医師」の肩書まで外したから。さらにはプロフィル欄にあった「コロナ禍の間は、新型コロナやワクチンについての医療情報多めで呟いております。エビデンスに基づいた有用な情報提供を心掛けております(以下略)」との記述まで消えていた。このためさまざまな反応が広がっているのだ。

 医師としての側面を持つ知念氏だが、コロナ禍において感染予防対策やワクチン接種を推奨する立場から過激なツイートで周囲を巻き込み、たびたび議論を呼んできた。最近は熊谷俊人千葉県知事に関するツイートで炎上。同知事から「この方は私とワクチン全否定派の方が根拠なく繋がっているという虚偽情報を拡散し、未だに訂正も何もしていません」と猛抗議を受けていた。

 さらには先月28日に都内ホテルで開かれた日本外科学会の参加者の多くがノーマスクで盛り上がったことにもかみついた。主催者とされる〝母校〟の教授を名指しして「大木氏の今回の所業について、慈恵医大の考えを正式に問い合わさせて頂きました」とピシャリ。「正式に回答があるまでは、再来月に慈恵で行われる予定だった私の講演会をはじめ、母校への協力は一切控えさせていただきます」と〝圧力〟ともとれるツイートを放ってざわつかせていた。

 そんな騒動の最中に「医師」の肩書を外したことで、コロナ関連の話題を追うツイッタラーらから「何があったのか」と注目されるのは当然。ツイッターのリプ欄には厳しい声も殺到し、一部支持者からは立場を心配する声も上がっている。

 今月8日には新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に移行する。〝節目〟を前に知念氏の心境に何か変化があったのだろうか。