昨年から宝飾事業大手「ナガホリ」(東証スタンダード上場、代表取締役・長堀慶太氏)をめぐってさまざまな動きがあった。そんな中、3月16日、臨時株主総会が開催される。何がテーマとなっているのだろうか。
1962年に創業したナガホリは10周年目の結婚記念日を祝う「スイートテン・ダイヤモンド」の商標権を持つことで有名になった。近年は株価200円前後と低迷していたが、昨年3月半ばに急騰し、1100円を超えた。「リ・ジェネレーション」(代表取締役・尾端友成氏)ら複数の株主がナガホリ株を買い集めたとされ、リ・ジェネが筆頭株主になった。
「買収」「乗っ取り」などとの報道が出た中、ナガホリは同年6月の定時株主総会で買収防衛策の導入を決議した。その後、ナガホリの完全子会社「仲庭時計店」の営業マンの高級時計横領など、複数の不祥事がメディアで報じられ、ナガホリは不祥事があったことを発表。長堀社長らは処分なしだった。
そして、臨時株主総会が開催されることとなった。議案は取締役の新任と解任だ。ナガホリ側は長堀氏ら現任取締役をそのままに、女性の新任取締役の選任を提案。リ・ジェネ側は現任取締役全員の解任と、尾端氏らの新任取締役の選任を提案した。
リ・ジェネの尾端氏は「私は投資だけじゃなく、企業価値と株式価値を上げるための提案をしたいのです。大きく2点を問いたいので、臨時株主総会で提案することになりました。1点目は不祥事を隠ぺいした上、社長らが不処分だったこと。2点目は自己保身ととれる多額のアドバイザリー費用の拠出です。外部専門家に対し、私やほかの株主らが株を買い集めていると一方的に主張する状況を踏まえた緊急対応、そして関連する株主対応などに係るアドバイザリー費用の名目で継続的に巨額の報酬を支払い続けており、株主から負託を受けた貴重な会社資金を費消し続けています」と話す。
一方、リ・ジェネの主張の1点目に対し、ナガホリは「子会社の従業員による複数の不正事案発覚後に顧問弁護士に相談の上、調査し、損害には訴訟を提起するなど、適時適切に対応してまいりました。隠ぺいしていたわけではございません。当社の社長らの不処分について、当社取締役としての業務執行において処分の対象とすべき非違行為がなかったことが理由で処分をしておりません」と回答。
また、2点目について、「当社に対し株式の買い上げがあり、対応には高度な専門性を有する必要があることから、適切な経験を有する外部専門家からアドバイスを受けており、相応の費用がかかることは事実です。しかし、中長期的な企業価値、そして株主のみなさんの共同利益を確保するために必要な費用と考えております」とした。
その筆頭株主がリ・ジェネなのだ。臨時株主総会はどうなるのか…。