第5回WBC1次ラウンドB組の侍ジャパンは、12日のオーストラリア戦(東京ドーム)に7―1で快勝し4連勝。無敗でB組首位通過を決めた。立役者は「3番・DH」で先発出場した大谷翔平投手(28=エンゼルス)だ。初回に放った右中間上部の自身の看板を直撃する137メートルの先制3ランで“KO”した。この特大弾の動画はアップから12時間で再生回数840万回を突破。米国の野球ファンにとっては神動画となっている。また、インスタグラムのフォロワー数がMLB選手で初めて300万人を超えた。相手がイタリアに決まった16日の準々決勝ではどんな衝撃を与えてくれるのか。

大谷が直撃させた看板はこちら
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 待望のWBC1号は漫画のような打球だった。初回無死一、二塁で左腕シェリフのカーブを崩されながらも体を残して振り抜いた。打球音とともに大歓声。手に残る確信とともにそのまま行方を見送った。角度27度で上がった打球は右中間上部の自身の笑顔が輝く「セールスフォース社」の看板を直撃した。打球速度113・2マイル(約182キロ)、飛距離448フィート(約137メートル)の超特大弾だ。場内だけではなく、日本列島がどよめいた。

 その衝撃は米国に伝わった。米国で試合を中継したFOXスポーツが同局公式ツイッターに日本時間12日午後8時にアップした「大谷翔平3ラン本塁打」と題する動画は12時間で620万回。「日本に初回3点リードをもたらした大谷翔平のムーンショットをもっと見よう」と題した動画は47万7700回となっている。

 MLB公式ツイッターがほぼ同時刻にアップした3本の動画「大谷翔平がWBCで深く打ち込んだ」は71万6100回、「大谷翔平が東京ドームを熱狂させた」は86万2700回、「大谷翔平の本塁打のリプレー」は18万9300回で計約844万回だ。日本時間8時時点で再生回数は増え続けており、24時間で1000万回に達しそうだ。

 日本と米国東部の時差は14時間(現地12日午前2時からサマータイム)あり、オーストラリア戦の試合開始は午前5時だった。見ていなかったファンが多数でニュースなどで知り、チェックしているのだろう。米国でも驚きの特大弾だった。

 実際、今回のWBCは「大谷のWBC」と言っても差しつかえないだろう。11日のチェコ戦で4回一死二塁で右翼線に放った弾丸適時二塁打の打球速度はMLB公式サイトのスタットキャストによると118・7マイル(約191キロ)。自身がメジャー移籍後に公式戦で放った打球を含めても3位の速さだった。

 また、4試合連続で長打を放ち、打点を挙げ、7四球を選び複数回出塁している。出塁率6割8分4厘、OPS1・684は15打席以上の打者ではトップ。投手では9日の中国戦に先発して4回を1安打無失点5三振と完璧だった。MLB公式サイトが大会前からWBC特集記事で大谷の写真は常にセンターに配置するのも当然の活躍だ。

 侍ジャパンの次の大一番は16日に東京ドームで行われるA組2位のイタリアとの準々決勝。打撃好調の大谷は再び先発マウンドに上がる。おそらく今大会で最後の登板となるだろう。投打二刀流でチームを準決勝、決勝の舞台となる米国に導く。

【メジャーリーガー初の300万人フォロワー】大谷が放った看板直撃弾の動画再生回数は跳ね上がっているが、インスタグラムのフォロワー数もとんでもないことになっている。FOXスポーツでMLBアナリストを務めるベン・バーランダー氏は12日午後2時(日本時間13日午前3時)に自身のツイッターに「大谷翔平は大リーグの選手の中でインスタグラムのフォロワー数が300万人を超えた初めての選手」と投稿した。その後も増え続け、5時間で308万人を超えた。

 球界を代表するスーパースターでエンゼルスのチームメート、WBC米国代表の主将マイク・トラウト外野手(31)が200万人、昨季、ア・リーグ記録の62本塁打を放ち、MVPを受賞したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)は160万人だ。