【前田幸長・直球勝負】DeNAが沖縄・宜野湾で充実のキャンプを送っている。三浦大輔監督(49)は「今年は天候にも恵まれて、ほぼメニュー通りにやれている。大きなケガ人もなく、順調」と笑顔。しかも、やらせる練習ではなく、自主性に任せており「本当に選手はみんな一生懸命やっている。午後4時ぐらいに全体練習が終わって、それから自主練習。コーチにもノータッチにしてもらって自分で考える時間をつくらせている」と明かす。
昨季はヤクルトにリーグ連覇を許しながらも2位に食い込んだことで指揮官は「選手たちも間違いなく自信をつけた」。それでもヤクルトに8ゲームもの大差をつけられ「2位になったからといって、次は優勝なんてそんな簡単なものではないと分かっているが、今季はそこを何とかひっくり返さないといけない」と躍起になっている。
25年ぶりのV奪回のために指揮官が重要視しているのが2番手投手の踏ん張りだ。「昨年は先発が崩れたら2番手も追加点を取られるケースが多くて、ビハインドのところでもう1回ゲームを立て直すことができなかった。そこで何とか踏ん張って少しでもひっくり返していける試合を増やさないといけない」と指摘する。
勝利の方程式は伊勢、エスコバー、山崎と確立できている。三浦監督は「そこまでどうやって持っていって、どうやって拾っていくか。去年はそれが拾えなかった」と吐露。とはいえ、今季の2番手候補は入江、田中健、三嶋、森原ら「リリーフもどんどん層が厚くなっている」と手応えを感じている。
やはり優勝するためには早めに先発がマウンドを降りてしまった際、捨てゲームにならないようにすることが大事。2番手以降もズルズルと失点を重ねれば、ベンチの雰囲気もどんどん悪くなる。それだけにロングリリーフなどできっちり抑えながら勝機を手繰り寄せ、いかに負けゲームをひっくり返せるかがカギになる。
こう言えるのもDeNAには自慢の強力打線があるからこそ。牧、佐野、宮崎、ソトらリーグ屈指の打線は健在。その他もドラフト3位・林琢真内野手(22=駒大)、野手に転向した育成5年目の勝又、4年目の蝦名らの名前を挙げながら三浦監督は「打撃はいい。よく振れている」と目を細めていたのが印象的だった。
昨季73勝68敗2分けのDeNAだが、今季は先発陣が序盤にKOされた10試合だけでも2番手の踏ん張りと打線の爆発で引っくり返せば、優勝したヤクルトの成績を上回るだけに今季の優勝は十分に狙えそうだ。
(本紙評論家)