不死鳥が新たな歴史を刻んだ。女子プロレス「スターダム」のワンダー王者・上谷沙弥(26)が4日、同王座の最多連続防衛記録を「V14」に更新した。

 エディオンアリーナ大阪第1競技場大会では、同王座「V13」の最多記録で並ぶ〝ブラック・ピーチ〟渡辺桃(22)と対戦。王者の逆指名で実現した一戦だ。

 だが、序盤から挑戦者の猛攻に苦しめられた。セコンドの極悪軍「大江戸隊」からサポートを受けた渡辺にバットで殴打されると、顔面に水をぶっかけられる。

 それでも敵軍が用意した場外のテーブルに挑戦者を寝かせるや、コーナートップからダイビングフットスタンプを発射。主導権は譲らなかった。

 その後も右ミドルキック11連発、右ハイキック5連発、テキーラサンライズ(変型猛虎原爆)を食らいながらも、3カウントは許さない。感情むき出しで張り手5発を見舞うや、カミゴェで顔面を打ち抜く。最後は旋回式のスタークラッシャー(変型みちのくドライバーⅡ)から、必殺のファイヤーバードスプラッシュで激闘を制した。

 試合後、上谷は「デビュー戦から(渡辺が)QQ(クイーンズ・クエスト)を裏切るまで、あの時追いかけ続けた桃さんの大きな背中。あれは嘘じゃなかったと今日思いました。桃さん、私強くなったでしょ? 白いベルトの大きな歴史を試合で感じることができて、本当に幸せでした。戦ってくれてありがとう」と感無量の表情を浮かべた。

 2019年8月10日後楽園ホール大会のデビュー戦で胸を借りた相手が、その4か月前に同王座「V13」の記録を打ち立てた渡辺だったからだ。

「これで14度目の最多防衛記録を更新しました」と胸を張った上谷は「つらい時、くじけそうなときがたくさんあったけど、このベルトを信じてきてよかった。これからもたくさんの敵がいると思うけど、倒してもっともっと強くなっていきたい。お客さんにまだまだ見たことがない景色をお見せしたい」ときっぱり。さらなる記録更新に意欲を見せた。