粘り強さは健在だった。卓球の全日本選手権6日目(28日、東京体育館)、女子シングルス準々決勝で2年ぶり6度目の優勝を目指す石川佳純(29=全農)は、佐藤瞳(25=ミキハウス)を4―1で下し、準決勝進出を決めた。

 カットマンの佐藤を相手に、第1ゲームをジュースの末に11―13で落としたが「2ゲーム目から切り替えていいプレーができた。我慢勝負になったところで弱気にならず攻めていけた」と、要所でベテランらしいプレーを披露。2年ぶりの4強入りに「メンタル的にも技術的にもゆっくり準備ができた。この大きい大会の戦い方は普段とやっぱり違うので、しっかり準備できたことが今回のいいプレーにつながっている」と手応えを口にした。

 準決勝では優勝候補の早田ひな(22=日本生命)と相まみえる。サウスポー同士の戦いを「バック対バックになる展開が多いと思う」と予想した上で「前回は負けているので、アグレッシブに攻めることと自信を持ってプレーをすることが大事かなと思う。自分の力を出し切るところに集中してやっていきたい」と意気込んだ。

 現役最多5度の優勝を誇る石川は、国内外の試合でさまざまなプレッシャーを乗り越えてきたからこそ「これからは自分のベストを尽くすだけ」ときっぱり。自然体で純粋に勝負と向き合っていく姿勢を示した。