ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(45)が国際オリンピック委員会(IOC)の方針に猛反発したと、各メディアが報じた。

 ウクライナに侵攻したロシア、ベラルーシの選手たちは、これまでスポーツの国際大会から除外されてきた。だが、IOCは、2024年のパリ五輪に向けて、中立の立場などの条件付きながらロシア勢の復帰を検討すると発表。トーマス・バッハ会長も「パスポートを理由に選手を排除するのは五輪憲章の価値と使命に対応していない」と支持した。

 しかし、ゼレンスキー大統領はバッハ会長の方針を痛烈批判。ドイツメディア「ZDF」などによると、同大統領は「ロシア人の中立旗はすべて血に染まっているのは明らかだ」とし「中立地は存在しない。それを自らの目で確かめてもらうためにバッハ氏を(東部の激戦区の)バフムドに招待する」という。

 ゼレンスキー大統領はフランスのマクロン大統領と電話会談した際「パリ五輪にロシアアスリートの居場所がないことを強調した」という。またウクライナのスポーツ大臣のワディム・フトツァイト氏はロシア勢の参加が認められた場合、パリ五輪をボイコットする可能性を示唆している。