日本政府は4日、中国政府が新型コロナウイルス対策を緩和する8日から水際対策を厳格化すると発表した。香港とマカオを除く、中国からの直行便の入国者を対象に、出国前72時間以内の陰性証明の提出を義務付ける。

 徹底した感染抑え込みを目指す「ゼロコロナ」政策が事実上崩壊した中国では、各地の感染率が50~80%に達したとの見方が出ている。1月下旬には春節(旧正月)の大型連休もあり、流行拡大は確実視されている。

 そして、深刻なのは死者数だ。中国の人口は約14億人なのに、中国政府がこれまで公式に認めたコロナ死者数はトータルで約5000人。昨年末から中国疾病予防コントロールセンターが死者数を発表しているが、1日当たりの死者数は1~3人ほどで、現実的な数字ではないだろう。実際、英国拠点の医療系調査会社エアフィニティは1日当たり9000人に上っていると推計している。

 英国や豪州メディアに現地事情を寄稿しているジャーナリストのイアン・ビレル氏によると、中国の成都市の、ある火葬場では、1日に1000体以上を火葬しているという。あまりに死者が多いため、葬儀は禁止されているが、焼却炉には遺族による長い行列ができ、簡素ながらも葬儀を行っているようだ。

 また、ある上海市の男性は、住んでいるアパートの居住者たちの個別ポストに「こんな大都市なのに火葬場が足りない。コロナで亡くなった父親の遺体を自分で燃やさないといけない」とのメモを投函しているという。新型コロナで亡くなった遺体を放置しておけば、腐敗するし、ウイルスが広がってしまう。つまり、アパート前で火葬するため、居住者たちに知らせているとみられる。