決断はまだ先か。去就が注目されている日本ハムの近藤健介外野手(29)が23日に札幌ドームで行われた「ファンフェスティバル2022」に参加。揺れる胸中を明かした。

 所属する日本ハムに加え、楽天を除くパ・リーグ4球団から獲得の意思を伝えられている近藤は「一度きりの人生なんで。しっかり悩んで(いる)」と現在の心境を吐露。「ここ(日本ハム)にいる間は応援大使もありますし、ファイターズの選手としてやることをしっかりやりながら。その中で考えていい決断ができればいいかなと思います」と語った。

 移籍か残留かの決断時期についてはまだ未定のようで「納得して決めたいので、そこの期限はあまり設けない」と断言。「年内には決めたいですけど、本当に(人生の)分岐点というか、今後野球をするにあたってその決断で大きく変わってくるので。しっかり悩んで、すんなり決められた時に決めたい」と最終決断まで時間を費やすこともにおわせた。

川村浩二球団社長と話す近藤健介
川村浩二球団社長と話す近藤健介

 ただ、決断のうえで重要視する点に関しては「野球選手である以上、優勝したいですし、その中のピースとしてグラウンド上に立っていたい」と即答。来季は優勝できるチームでのプレーを望んでいることを明かした。それでもプロ入りから11年間プレーした日本ハムへの愛着もあるようで「この4年間は自分の実力不足もありますし、中心選手として優勝争いできるような活躍をしないといけなかったというのも事実。そこも考えながら決断したいなと思います」と残留にも含みを残した。

「まだフラットにいろいろとお話を聞いている段階」(近藤)のため、今後も各球団とは並行して交渉していくという。必要であれば現場首脳陣やチーム関係者同席のもとで話し合いを行っていく意思もある。

「それこそ監督さんともお話ししたりして、環境面だったり考え方だったり。そういうのを聞きながらという感じなので。とりあえずここに来る前には全球団と話をさせてもらって。また落ち着いて考える時間を作って、会いたいと思えば(各球団関係者と)会うと思う。(球団を)絞れているというところはないですね」とのこと。

 自身が納得するまで熟考する覚悟を決めただけに、取材後には「(決まって)ないことは書かないでもらっていいですか」と苦笑いを浮かべながら報道陣に念押しした近藤。過熱する報道をよそに本人は最終的にどんな決断を下すのか。計5球団による争奪戦はまだまだ時間を要する気配が漂っている。