好調のまま終われるか。セ3位の巨人は22日のDeNA戦(横浜)に0―3で敗れ、連勝が3でストップ。小休止となったが9月は10勝5敗1分けと大きく勝ち越している。そんなチーム状態に「シーズン終盤にこれだけ勢いがあるのは、日本一になった2012年以来」と下克上を期待する声もささやかれ始めた。

 好調だったG打線が相手左腕・石田の前に6回無得点と抑え込まれた。5回1失点と好投のメルセデスを見殺しにすると、3点を追う8回無死満塁の好機も中田、岡本和、代打・中島が凡退し万策が尽きた。

 それでも4位・広島に0・5ゲーム差ながらCS圏内の3位をキープ。原監督は「ピッチャーはそうそう責められないと思いますね。0点ではね、やっぱり良くないですね、それはね」と冷静だった。

 チーム状態の良さは数字に表れている。9月はチーム打率2割6分、チーム本塁打27本、チーム防御率2・36と投打ともセ1位をキープしている。

「シーズン最終盤にここまで状態がいいのは最後に日本一になった2012年以来。『CSに出られればもしかしたら…』とチーム内も盛り上がっています」と球団関係者は明かした。

 ここ数年の巨人は秋に失速を繰り返してきた。第3次原政権で19、20年に2連覇を果たすも、日本シリーズでは2年連続でソフトバンクに1勝もできず敗退。リーグ優勝決定後に主力を休ませたケースもあり、19年は9月は9勝13敗、変則日程となった20年は10、11月が13勝18敗4分と負け越した。

 さらに昨年10月は10連敗を喫するなど4勝11敗3分けの〝大失速〟。最大貯金15からリーグ3連覇を逃し、借金1の3位フィニッシュとなった。1月のコーチ会議では「シーズンを戦い抜くスタミナの必要性」が毎年のように重要課題となっていた。

 一方、最後に日本一になった12年は9、10月を18勝8敗3分と2位・中日に10・5ゲーム差をつけて圧勝。日本シリーズでは日本ハムを4勝2敗で撃破した。

 巨人は残り5試合。思惑どおり下克上による10年ぶり日本一はなるのか。もちろんここから連敗する可能性もあるが、果たして…。