【取材の裏側 現場ノート】今季から本格的に米女子ゴルフツアーに参戦している渋野日向子(23=サントリー)は先週までに16試合出場で「ロッテ選手権」2位、メジャー「AIG全英女子オープン」3位と好成績を収めた。その一方、予選落ち7、棄権1と半数の8試合で決勝ラウンドに進めなかった。

 シーズン初めは不慣れなポアナ芝など、パッティングに大苦戦する姿が見られたが、最近はアイアンを変更した影響からかショットもゴルフも荒れ気味。また、攻めのゴルフにハラハラドキドキの場面も多いのだが、米女子ツアーを中継するWOWOWで解説を務める東尾理子が米ツアー1年目に臨んでいる渋野の〝プロ魂〟をたたえた。

 前週の「クローガー・クイーンシティー選手権」でのこと。初日73、2日目74とアンダーで回れず、見せ場もないまま2週連続で予選落ちをした渋野が取材に応じる姿を見た東尾は「いいスコアではなかったのにインタビューにしっかり応じる。プロとして見習うべき。素晴らしい。これだけつらい中で自分のゴルフを見つめてくれる」と大絶賛していた。

 ゴルフ界に限ったことではないが、成績が振るわなかったため、インタビューの際も不機嫌で受け答えもぶっきらぼうになる選手や取材にまったく対応しない選手も珍しくない。そんな中、どんなに悪いスコアやパフォーマンスだったとしても、常に冷静になって自身のプレーを振り返る姿はまさにプロフェッショナルといえるだろう。

 インタビューでは時には素になってしまうのか、岡山弁が交じることもあるが、それも渋野の大きな魅力の一つ。さらに毎回ではないものの、代名詞にもなった「スマイル」も披露。結果が出なくても積極的にファンサービスを行う姿勢も多くのファンたちが渋野を応援し、支持する理由ではないだろうか。

 渋野にはプレー面はもちろん、それ以外の面でも引き続き、女子ゴルフ界をけん引してもらいたい。(スポーツ担当・三浦憲太郎)