負けたことが財産になる――。K―1のエース・武尊(30)が、〝キック界の神童〟那須川天心(23)との頂上決戦で新たな価値観が生まれたことを明かした。

 立ち技メガイベント「THE MATCH 2022」では1ラウンド(R)にダウンを奪われるなど0―5の判定負けを喫した。武尊は27日の会見で「今回の試合で一番学んだのはそこ(負け)の部分。毎日負けることが怖くて、この10年間ずっと恐怖と戦ってたなと」と率直に振り返った。

 これまで試合中は「笑って楽しんでいた」と話す武尊だが「それ以外の時間は苦しさと恐怖しかなかった。それって本当に心からそのときは楽しめてなかっただろうし、苦しさと恐怖に支配されていた(と思う)」。勝利を約束されたエースとしての苦悩があったようだ。

 武尊は「それがあったから強くなれた部分もあったから無駄ではなかったと思う」と分析する。その一方で「今回こうやって約10年ぶりに負けて、そのとき僕の中ですごく大切なものに気づけた。もちろん負けるのは悔しいし、負けた自分は許せない。でも、自分のゆがんでいた部分や負けに対しての気持ちはちょっと変わった」と心境の変化を告白した。

 この日、無期限の休養と自身が保持するスーパーフェザー級王座の返上を発表した。しかし「恐怖がなくなって、もっと思いきり戦えるんじゃないかなと思うし、これからもっと強くなれると確信しました」。武尊の戦いはまだまだ通過点に違いない。