全てを出し切った。競泳の日本学生選手権最終日(31日、東京辰巳国際水泳場)、女子100メートル自由形決勝で日大4年の池江璃花子(22=ルネサンス)が54秒26をマークして優勝。初日(28日)の50メートル自由形に続き、インカレで自身初の個人2冠に輝いた。

 仲間の声援を力に変えた。前半を2位で折り返すと、得意の後半でペースを上げる。なかなか差が縮まらず「今年は最後タッチで負けるかな」。不安な気持ちが頭をよぎったものの「みんなの顔を思い浮かべながら泳ぎました」と残り20メートル付近でトップに浮上。2位の池本凪沙(中大2年)を0秒09差で振り切り「日大で出れる最後の個人種目だったので、どうしても優勝したかった」と涙ながらに語った。

 最終種目となった800メートルフリーリレー決勝は3位に入り「チームのために泳ぐ経験、チームメートと喜び合えたのは、自分の水泳人生にとって一生残る思い出になった」と充実の表情。仲間と戦った最後の夏は最高の思い出となった。