世界で人気の卓上ゲーム「オセロ」を考案し、日本オセロ連盟会長を務めたゲーム研究家の長谷川五郎さんが20日午後11時7分、千葉県柏市の自宅で死去していたことが23日、分かった。83歳だった。

 長谷川さんは水戸市出身。水戸では11月、2006年以来2回目となるオセロ世界選手権が開催される。故郷で再度の大舞台を前に無念の最期を遂げた。

 盤上で白と黒の石が何度もひっくり返り、大逆転もある攻防が魅力のオセロ。西洋のゲームかと思う人も少なからずいるようだが、日本オリジナルだった。その「オセロをつくった男」として名高いのが長谷川さんだ。

 長谷川さんは第2次世界大戦後間もないころの少年時代、オセロの原型となる囲碁を使った遊びを考案。「オセロ公式ホームページ」によると、学校の休み時間に遊べるゲームとして子供たちの間で人気になった。石が白黒2色なのは碁石からきているという。

 社会人になった後に長谷川さんはこの遊びを思い出し、牛乳びんのふたを石代わりに試作品を作って玩具メーカーへ持ち込み。このアイデアが認められ、1973年に登録商標「オセロ」の商品として発売され、世界的にヒットした。父親の長谷川四郎さんは著名な英文学者で、商品名は四郎さんがシェークスピアの名作にちなんで命名したといわれる。

 長谷川さんは73年に設立された日本オセロ連盟の会長に就任。同年から全日本選手権が行われ、77年に世界選手権が始まった。発祥地の水戸市での世界大会実施に向けて尽力し、06年に水戸市で開かれた世界選手権にも携わった。

 英国で開催された昨年の世界選手権では、高梨悠介九段が4回目の優勝を飾り、日本は団体戦も制した。11月の水戸大会まで4か月あまり。節目となる40回目の世界選手権を見ることはかなわなかった。