タレントのデヴィ夫人(80)が28日、ブログで言及した人工中絶に関する発言を謝罪した。

 問題発言があったのは、24日放送のカンテレ「胸いっぱいサミット!」。不妊治療のニュースをめぐり「(女性が)不妊になるのは堕胎が原因です」と切り出し「『そうは』(掻爬)と言って、子宮の中をかくわけですよ。先生によっては傷をつけちゃう、子宮内に。そうすると絶対に着床しないんですよ」と力説した。掻爬は、中絶のため子宮内の胎児を体外に出す手術をいう。
 
 スタジオにビミョーな空気が流れ、弁護士の横粂勝仁氏らが〝軌道修正〟しようとしたが、「(不妊原因の)9割9分は堕胎です」とも言い切った。

「ナインティナイン」岡村隆史の電撃婚のニュースに移ろうとすると、デヴィ夫人は「すみません」とカットイン。「先ほど申し上げた数字に誤りがあったようなので謝らせていただきます」と陳謝した。同局の竹下萌奈アナウンサーは「事実と異なる発言がございました。不快な思いをした方々におわび申し上げます」とした。

 一連の発言が27日、ネットニュースなどで取り上げられると、デヴィ夫人は瞬く間に炎上。医療の専門家からも疑問の声が相次いだ。

 立憲民主党の蓮舫代表代行も「いい加減にしてくれ。本当に憤ります」とツイート。テレビ界も敏感に反応した。

「問題発言が飛び出したのはカンテレ(大阪)制作の番組です。カンテレは、ほかの番組でもデヴィ夫人を重宝して起用しています。ただ、生放送ではちょっと危ないというのが他局の共通認識。デヴィ夫人の発言は不用意だったけど、カンテレも生放送でよく起用したなという印象があります。今回の舌禍を受けて、我々の間で、生放送はやはり避けたほうがいいかもしれないと確認し合っています」(在京テレビ局関係者)

 デヴィ夫人はブログで「不妊治療に当たっている方々、中絶せざるをえなかった方々等を心ならずも傷づけてしまったり、不快な思いをさせてしまった」とスピード謝罪したが、その裏には「放置すれば、自身の仕事に深刻な影響が及ぶ可能性があった」(テレビ関係者)ということも大きい。

 バラエティー番組では、傘寿ながら体を張った笑いで新境地を切り開いていただけに、痛すぎる失言だった。