新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル(IC)2冠王者・内藤哲也(38)が、祭典「G1クライマックス」(19日、エディオンアリーナ大阪で開幕)へ“制御不能節”を炸裂させた。3年ぶり3度目のVを狙い、同組Bブロック最大のライバルに同じロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)のSANADA(32)を指名。一方で、かつて憧れた棚橋弘至(43)には非情通告を突きつけた。
「真夏の祭典」は今年7月に開幕予定だった東京五輪の影響により、秋開催にスライド。五輪は新型コロナウイルス禍で来夏に延期となったが、G1は懸念された海外在住主力選手の参戦も間に合い、20選手が出揃った。内藤は「いざ、発表を聞いたら例年のG1と変わらないくらいのメンバー。まあ二、三、無理な穴埋めは見られますけど、ひとまず大会のグレードはしっかり保たれたんじゃないですかね」と胸をなでおろした。
とはいえ、“海外組”の評価は割り引いて見ているという。KENTA(39)、ジュース・ロビンソン(31)と同組だが「僕自身も(コロナ禍での大会自粛から再開した)6月は試合の感覚を戻すのが難しかったですしね。海外勢も向こうで何試合かやってるとはいえ、何試合か、ですからね。いきなり今まで以上にもっていけるのかっていうのは、ちょっと分からない部分がある」と分析した。
そんな中でBブロック最大のライバルに挙げたのが今年は低迷が続く、LIJの同門・SANADAだ。「内藤が2本のベルト持ってて、鷹木(信悟)がついこの間までNEVERのベルトを持ってて、EVILはLIJを抜けて2冠を取った。焦らないわけがない状況なのに、焦った様子も見えない。その落ち着いた様子から自信がみなぎっているのが感じ取れるし、G1では怖い存在になるんだろうなとそばで見てて思いますね」と逆襲を警戒した。
同組では対照的に、2017年G1公式戦以来のシングル戦実現となる棚橋への評価は厳しい。出場選手発表前日(8日)の水戸大会で棚橋が「当落線上」と自己評価していたことに失望したという。「そんな男に今の俺が負けるわけないでしょ。久々に向き合うのは楽しみですよ。僕は昔、棚橋を追いかけてましたから。でも水戸大会の時点で勝敗は見えてますね。だとしたら来年はその当落線上にもいられなくすることが俺の役目なのかもしれないね」。19年連続G1出場となる棚橋の“介錯人”と化すことも辞さない構えだ。
狙うは00年の佐々木健介以来20年ぶりとなるIWGP王者の、そして史上初となるIC王者のG1制覇。制御不能男が“秋のG1”を熱く燃え上がらせる。