スペイン1部の名門バルセロナ退団を表明したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)の移籍話が大詰めを迎えた。英放送局「BBC」はメッシがイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティーを所有するシティー・フットボール・グループ(CFG)と5年総額6億2300万ポンド(約880億円)で合意したと報じた。
決着の日は近づいているのか。「BBC」は公式ツイッターで、英紙「デーリーレコード」の記事を引用する形でメッシの契約合意を報道。同紙によると「最初の3シーズンをマンチェスター・シティーで過ごし、その後MLS(米メジャーリーグサッカー)のニューヨークシティーFCへ行く」とし、同グループが保持する2クラブでプレーする異例の契約形態になるという。さらに「スポーツ史上個人最高額の契約」になるとも指摘。年俸に換算すると180億円近い超破格の契約となることを、驚きをもって報じている。
8月25日に退団を表明したメッシがフリーでの移籍を求めているのに対し、バルセロナは7億ユーロ(約880億円)の移籍金を要求。法廷闘争の可能性も高まっているが「6月10日までなら契約を解除できる」という契約書の存在があり、今年が新型コロナウイルスの影響による特例を主張するメッシ側は分が悪い。フリーでの移籍がかなわない限りは超高額な移籍金が必要になり、それを払えるのは世界でもCFGくらいしかないとされていただけに、今回の話はこれまでの移籍報道の中でも信ぴょう性が高い。
ただし、今回の契約話は年俸など、あくまでメッシ個人についてのもので、移籍金とは別の話。こうした細部の話を詰めるためなのか、メッシの父で代理人を務めるホルヘ氏が2日にスペイン入り。地元メディアによると「レオが(バルセロナに)残るのは難しい」とコメントした。今後、バルセロナのジョゼップ・バルトメウ会長とメッシの去就について会談を行うとみられている。
フリー移籍が現実的ではない以上、残された道は移籍金の減額。現在の移籍市場の相場を考慮すればバルサ側の要求の半額程度、つまり3億5000万ポンド(約440億円)あたりの攻防となりそうだが、それでもこの金額をすぐに準備できるクラブは少ない。そこで急浮上しているのが、メッシによる移籍金の一部の肩代わりだ。
現地在住のジャーナリストは「絶対にバルサから出ていきたいという前提があるなら、メッシ自身がカネを払うということも十分にあり得る。100億円程度なら準備できるはず」と見る。これが実現すれば、移籍のハードルは大きく下がる。予断を許さない状況とはいえ、決着の時は近づいているようだ。