【どうなる?東京五輪・パラリンピック(70)】“柔道界の異端児”はおとなしくなるのか。来夏に延期された東京五輪に臨む男子90キロ級代表の向翔一郎(24=ALSOK)がユーチューブに柔道関係者を中傷する動画を投稿した件で、全日本柔道連盟(全柔連)の金野潤強化委員長(53)が口頭で厳重注意した。

 そもそものきっかけは向自身が喫煙する姿をユーチューブに投稿したこと。これに対し、男子66キロ級代表候補の丸山城志郎(26=ミキハウス)の父、丸山顕志氏がSNS上で苦言を呈すると、向は丸山氏を中傷するような動画を投稿し、騒ぎとなっていた。日大時代の向を指導していた金野委員長は「皆さまに不快な思いをさせてしまい、深くおわびしたい」と陳謝。向には代表選手の影響力などをこんこんと説いたという。

 SNSや動画投稿サービスの利用について、柔道界では講習会こそ開いていたものの、明文化はしていなかった。金野氏は「これを機に明確なガイドラインを考えていきたい」との方針を示したが、後手感があるのは否めない。

 当事者である丸山氏は、報道後の19日にSNSに「お騒がせする事となってしまい大変申し訳なく思っております。向選手に対し、まずは直接本人に意見を述べなかった点は、配慮を欠いていたと深く反省いたしております」と投稿。今回の件で向と話した際に「人懐っこく、少々ヤンチャな少年」との印象を抱いたとし「今後、向翔一郎選手は確実に成長し、東京五輪では研ぎ澄まされたパフォーマンスを魅せてくれること間違いありません」(原文ママ)と大人の幕引きを図った。

 対照的に向は騒動後、一転して沈黙。今回は厳重注意で済んだものの、日頃からとっぴな言動で知られる選手だけに今後も注目されそうだ。