投げて打っての活躍だった。ソフトバンクの千賀滉大投手(29)が3日の中日戦(バンテリンドーム)に先発。およそ1か月半ぶりの白星となる4勝目(2敗)を自身の地元・愛知で飾った。
右ヒジの張りでローテーションを1回飛ばしてのマウンドだった。6回途中まで2安打無失点。打席では4回に大野雄から決勝打となる犠飛を放った。ただ、相手エースとの投げ合いで3打席すべてが得点圏の場面で力も入った。豪快なスイングで球場をわかせた一方、早い回での降板は脚がつったためだった。
試合後は「フルスイングした結果、体がつりました。(今後は)DHがあるのでしっかり投げる方に専念して次また頑張りたい。地元で勝ってこんなに反省するとは思わなかったくらい、本当に何してるんだと思うくらい。でも、勝てて良かったと一安心はあります」と口にした。
ほとんど打席に立つ機会がない中で、過去の成績は16打数4安打と打撃センス抜群。野手顔負けの数値も誇る。2019年の秋季キャンプに米・トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のスタッフが訪れた際、試しに計測したスイングスピードの平均値は参加者中ではリチャードに続く3位にランクインするものだった。米国人スタッフも打撃面の潜在能力に驚きの声を上げたほどだった。
大野雄から奪ったのは7イニングで千賀が叩き出した1点のみだった。結果的に思わぬ形での降板となったものの――。値千金の一打でチームを勝利に導いた。