ロッテ・佐々木朗希投手(20)が27日の阪神戦(ZOZOマリン)に先発し、6回90球を投げ4安打無失点、7奪三振。0―0で降板したため勝ち負けはつかなかった。試合は佐々木朗の降板後、守護神・益田が佐藤輝の一発に泣き0―1で惜敗した。

 ストレートの最速は163キロ、その平均球速は159・8キロだったが、シュート回転するストレートを最後まで修正しきれなかった。
 
 この日投げた64球のストレートの空振り率はわずか3・1%。しかし、それを補ったのが宝刀フォークボールの精度。35球投げたフォークの空振り率は60%とハイアベレージで要所で自らを助けた。

 佐々木朗は「今日は結果も内容もある程度はまとめられて良かったのですが、投球の質は良くなかった。しっかり修正してもっと良い投球ができるように頑張ります」と振り返り、課題を語った。

 それにしても、直球が手につかなくてもフォークだけで試合を作れてしまう異次元の〝構成力〟はアッパレというしかない。

 この日の投球を見たメジャー関係者も「もしかしたら、疲れが出てきているのかもしれない」と梅雨時期を前に佐々木朗の体調の変化を気にしながらこう語った。

「あれだけ直球が抜けていても大事な場面で制球を間違うことはない。そしてフォークだけで投球を組み立てられることがまたすごい。今日のような悪い日でも試合を作れるし(6回無失点7奪三振の)結果だけ見れば圧倒しているといってもいい。悪い時のレベルが高い。(今後)直球もフォークも手につかない時にどう修正しながら試合を作っていくのかも見てみたい」

 4回、6回に俊足の中野を出塁させクイック投球を強いられた場面では、高く左足を上げた自分の間合いで投げられず、より直球の抜け球が目立った。しかし、悪い状態の中でいかに試合を作れるかという先発投手に求められる能力の絶対値が飛び抜けて高いことも、この日の90球から垣間見えた粘投だった。