黒澤明監督の映画「影武者」の出演などで知られる元俳優・根津甚八(本名・根津透)さんが29日、死去したことがわかった。69歳だった。

 根津さんは1993年に撮影で落馬して腰椎を損傷。2001年ごろに右眼下直筋肥大を発症し、04年に起こした交通事故以後、表舞台に出ることはなかった。その後うつ状態になり、リハビリを続けていたが、10年に俳優引退を発表。それでも15年9月に公開された東出昌大主演の映画「GONIN サーガ」(石井隆監督)に1作限りの“復帰”を果たしファンを喜ばせたが、再び療養生活を送っていた。

 69年に唐十郎が主宰する状況劇場に入団した根津さんは、78年にNHK大河ドラマ「黄金の日日」に石川五右衛門役で出演し、注目された。79年に状況劇場を退団し、80年に「影武者」、85年に「乱」と黒沢作品に出演したほか、多くの映画やテレビドラマに出演。82年には映画「さらば愛しき大地」で日本アカデミー賞主演男優賞を受賞した。