大みそか恒例の国民的人気番組「第66回 NHK紅白歌合戦」で、白組のトリにジャニーズの近藤真彦(51)が、紅組のトリに松田聖子(53)が内定と一部で報じられた。昨年、聖子が大トリを務めたことを考えれば近藤の大トリも見えてくる。この内定情報にジャニーズファンは「前回の二の舞いはなくなる」と喜び、フジテレビも…。

 近藤、聖子ともに芸能生活35周年という節目の年に紅白のトリを飾るというのだ。21日、近藤が「ギンギラギンにさりげなく」、聖子が「赤いスイートピー」を歌うことがNHKの曲目発表で明らかになった。

 とりわけ近藤は大トリとも目されている。そうなれば、デビューのころから見守ってきた総合司会の黒柳徹子(82)が横から近藤の歌唱を見つめて感動のフィナーレ。NHKも凝った演出を考えたものだと思いきや、そうでもなかったようだ。

「もともとはSMAPで大トリを考えていたようなんですよね。昨年、トリを務めた嵐はジャニーズのカウントダウンコンサート(カウコン)の司会で、トリというわけにもいかない。ならばというわけではないですが、SMAPでというのが当初の思惑だったようです。ただ、結果的にはジャニーズに押し切られてしまったようです」とはある芸能プロ関係者。

 SMAPをマネジメントするのは育ての親でもある敏腕マネジャーI女史だ。「近藤という大先輩が紅白に出場するのを差し置いて、SMAPがトリというのはありえないというのが事務所としての主張だったようですが、I女史にいい顔をさせるわけにもいかないといった内輪の事情も見え隠れする。もともと今回の紅白スタッフはジャニーズタレントを7組も出しているくらいですから、あらがうわけにもいかないでしょう」と同関係者は続ける。

 この内定にネット上では「もう紅白は見ない」といった声も出ているが、業界内からも「なぜ?」という声が噴出。あるレコード会社社員が「今年は卒業を発表している森進一で終わりたいですよね」と言うように森を推す声もある。

 とはいえ、この決断に対しては批判ばかりでもないようで、あるテレビ局関係者は「大みそかのカウコンを待ち望んでいるファンや中継を予定しているフジテレビも内心はホッとしているんじゃないですか」と指摘する。“悲劇”を繰り返すことはないということだ。

 ファンの間で語り継がれる“悲劇”とは昨年の大みそかに行われたカウコン。昨年のカウコンでは、35周年行事をスタートさせる近藤がメーンとなってメドレーを歌い、その横に黒柳が寄り添う「マッチ記念コンサート」となった。このコンサート直後、「マッチのコンサートに来たつもりはない」と怒りまくったファンも多くいた。

「今年は中継も決まっていたし、紅白からマッチさんと黒柳さんの2人が流れてくるのは確定的だが、総合司会とトリのコンビであれば、『番組終わりました。はい、さようなら』というわけにもいかない。打ち上げの席にも顔を出す必要があるでしょうから、コンサートには最後の最後にギリギリ滑り込みというところでしょう。ファンとしても昨年の二の舞いは避けられます。それに、フジとしても嵐が司会でメーンを張り、KinKi Kidsがメドレーを歌い、Hey!Say!JUMPが大阪から中継と予定通りに事は進むでしょうから。中継スタッフは余計な心配しないでいいから安心じゃないですか」と同関係者。むしろフジは大喜びといったところだろう。

 今年の紅白は歌手選考などを含めて何かと批判的な声も多いが、NHK局内では視聴率も求められる。昨年は第2部(後半)が42・2%と一昨年より2ポイントも落としたが「年明けすぐに紅白スタッフは万歳三唱したって聞きました」(レコード会社関係者)というから、このあたりの数字が取れれば“官軍”だ。この“英断”がどう数字に反映されるか。

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)