15日の全日本プロレス東京・後楽園ホール大会で諏訪魔(39)が秋山準(46)の持つ3冠ヘビー級王座に挑戦を表明。「暴走専務」の異名も返上し、王道マット活性化に専念する。

 年内最終戦となったこの日の試合後、諏訪魔は「3冠をどうしても巻かなければいけないと思っている」とベルト取りを予告した。暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」を制覇。パートナーの宮原健斗(26)とのコンビは解消したものの、その実績をシングル戦線に持ち込んだ格好だ。秋山も「(年明け)一発目で勝負だ」と応じ、来年1月2日後楽園大会での3冠戦が決定した。

 さらに諏訪魔は11月29日の山形大会終了後に秋山社長に申し出て、11月いっぱいで専務取締役を辞任していたことを明かした。理由については「いろいろな人間が抜けて、ある意味“焼け野原”みたいになっている。どうすれば全日本がいい方向にいくか。専務という立場を降りてリング上に集中したい。経営は社長(秋山)に任せてね」。リング上の活性化を最優先させるためだという。

 今年の全日プロは下半期に所属選手の離脱が相次ぎ、暗いニュースが多かった。諏訪魔は「自分の中でケジメだと思っている。あれだけ(選手が)抜けた以上は俺がやるしかない」と言い切る。

 二足のわらじを履き続けてきたが、レスラーの活動に集中できないジレンマも感じていた。もともと諏訪魔は頭脳派とは程遠い位置に分類される選手。その言葉自体が違和感でしかなかった「暴走専務」は卒業し、思う存分暴れ回って来年の王道マットをけん引する。