新日本プロレスの6月9日大阪城ホール大会でIWGPインターコンチネンタル(IC)王座V2戦に臨む王者の飯伏幸太が21日、次期挑戦者の内藤哲也(36)に手紙を送った。今シリーズ「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」不参戦のため内藤との前哨戦が実現していないIC王者が、37歳の誕生日にしたためた“怪文書”の真意とは――。

 4月の新日プロ再入団を機に全戦参戦を希望していたが、ジュニアヘビー級中心の今シリーズは出場していない。プロモーションを中心に多忙な生活を送る一方で、内藤は前哨戦がない現状に問題提起した(本紙既報)。

 飯伏は取材の待ち合わせ場所になぜか封筒を持って現れ「今日は内藤さんに送る言葉をまとめてきました」と一方的に手紙を手渡してきた。同意を得て中身を拝見すると「拝啓 内藤哲也様」から始まる意外に本格的なものだった。

「新緑の候、いかがお過ごしでしょうか。体、大丈夫でしょうか? 1年に1度のジュニアのシリーズに、自分は出たくても出られていません。試合ができる内藤さんが本当にうらやましいです。体は大丈夫でしょうか?」

 文面はここからやや“狂気”を帯びてくる。「早いもので今年だけで3度目の対戦ですね。楽しみで愉しみでたのしみでタノシミで仕方ありません。末筆ながら、ご自愛のほどお祈り申しあげます。敬具」(原文ママ)と結ばれていた。

 よもや今さら文通する間柄でもないだろうが、文書化の手法を用いた理由は何か。先シリーズの飯伏と内藤はIC王座への思いをめぐる論争、王座戦の日時場所に至る問答に微妙なズレが生じていた。“クレーマー”と評する内藤とこれ以上の舌戦をするつもりはないという意思表示か、単にからかっているだけなのか判断が難しい。手紙内で執拗に繰り返される体調を気遣う姿勢も、古傷のヒザに爆弾を抱えながら強行日程が続く内藤に休息を促しているのか、それともやはりおちょくっているだけなのか…。

 一方でBOSJ参戦中の鷹木信悟(36)は、優勝後にIC王座戦線参入を示唆している。飯伏は「資格としてはあるかもしれないけど、僕も新日本に参戦して10年でやっとICを巻けた。ここでもう挑戦できるの? それはまた後の話なんじゃないのかなと。今は内藤さんに集中しないといけないので。手紙を本人に渡してください。お願いします」。文面の謎に関しては一切語ることのないまま、一方的に依頼を押しつけて雑踏に姿を消した。