新日本プロレスのSANADA(31)が15日、珍しく沈黙を破り「NEW JAPAN CUP(NJC)」初制覇へ向けた秘める思いを明かした。4月6日に米ニューヨークのマジソンスクエア・ガーデン(MS・G)でIWGPヘビー級王者ジェイ・ホワイト(26)に挑戦する権利をかけたトーナメントは勝負のシリーズ。普段は寡黙な男が、新日プロでのシングルタイトル初奪取に燃えている。
ロス・インゴベルナブレス勢で唯一初戦を突破したSANADAは、鈴木みのる(50)との2回戦(17日、後楽園)を前に本紙をユニットの“聖地”ファミレスに招集。本紙の到着を前に空腹に耐え切れず先に食事を済ませ、早くもパフェを注文しているという制御不能ぶりを発揮した。
会場でもめったに話さぬ男の緊急招集は、NJCへのただならぬ決意を象徴している。その理由の一つは、現王者ジェイにある。2月にIWGP王座を奪取した新星がMS・G大会での初防衛戦を確定させたことで、新日プロは時代の転換期を迎えた。
SANADAは「ここで棚橋(弘至)、オカダ(カズチカ)ではワクワク感が物足りない。自分が優勝したほうがいい意味でも悪い意味でも気にしてもらえる。そのほうが新日本のためになる」。自身がもう一人のメインイベンターになることで、MS・G大会を新日プロの新時代の幕開けにするつもりだ。
さらには24日のNJC決勝の舞台がアオーレ長岡。これも燃える要素となっている。新潟市出身のSANADAは同会場で行われた昨年のG1公式戦メインに勝利し、厳密には地元でもないくせに「日本で一番長岡が好きです」とマイクで締めくくった。「(建築家の)隈研吾が設計した会場だけあって、見やすくて一体感があるんですよ。日本一の建築家と日本一、長岡が好きな俺で最高の空間を…。うん、どう考えてもイメージが湧きますよ。長岡で優勝するSANADAの」と、“長岡愛”でタイトル奪取を誓う。
珍しく冗舌だったが、会計が近づくと急に無言に…。なぜかパントマイムで財布を忘れたとアピールし始め、仕方なく本紙が食事代を払うと満面の笑みで親指を立てた。